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2014.07.07 より

リーゼガング現象 「クロム酸銅」の巻 [リーゼガング現象]

リーゼガング現象のリング(層)でもっとも有名なものはクロム酸銀だ。

なにしろリーゼガング先生がこの現象を発見する元になった物質だ。

写真で見ると美しいクロム酸銀の微結晶が層状に形成されている。

もちろんこの物質も手がけてみたいが、銀塩は高いし、光が当たると黒くなるし、当面は写真だけで我慢しておこう。

元祖物質だけに研究事例も多いしね。


まっ、思うにこの結晶がこんなに美しくなければ、リーゼガング先生もさして興味も示さず、従って研究発表も無かったんじゃなかったかと思う次第だ。

それにこの現象全般から見れば、19世紀末にやっと発見されるような珍しい物質による珍しい現象ではないと思う。

やはりクロム酸銀結晶の美しさは大きなインパクトだったと言えるのじゃないか?


で、クロム酸銀は後の楽しみに取っておくとして、今回はクロム酸銅についてやってみた。

クロム酸銅のリーゼガング現象は、文献の中にその他大勢として名前は挙がっているけれど具体的な事例としては探せなかった。

というか、古い外国文献の中にはあるかも知れないが、我が方では入手が困難なのだ。


そういうこともあり、意外と難しい。

何回も失敗した(イヤ、失敗している・・進行形)

失敗の原因は、詳細には分からないが、まずは物質の濃度設定、そして反応中のpH変化、および長期にわたるので実験期間中の温度変化といったところか?


お手本がないので、我が方の条件設定は、カタカナでいえばかっこいいが、トライアンドエラー?

しかし、実験期間が長いのでうまくいかないと次にかかるまでの時間が相当かかってしまう。

失敗の気落ちでやる気が失せるのもあるしね。

で、今のところの半成功例を載せてみる。

oly20170109_01トリ.jpg


oly20170109_03トリ.jpg



同じものだが、背景を黒に変えて

oly20170109_08トリtx.jpg


oly20170109_10トリ.jpg



酢酸ナトリウムは弱アルカリに保つためのpH緩衝剤のつもり。

弱アルカリだとクロム酸カリだが、酸性側になると重クロム酸カリになるといわれているので・・・。

そして、18℃の恒温箱に中に入れておいた。

写真で見るとおり、この件は既に硫酸銅が底まで到達しているのでこれ以上は進まないと見て終了した。


予想違いはクロム酸カリが薄い方が層間距離が大きいことだ。

また、層の形成タイミングは、この物質に限らないが、沈殿が生成してからしばらくしてからで、凝集するような感じで形成される。

うーん、この辺は理解不能だ。


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