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2014.07.07 より

2度目のイエローナイフ(2) [オーロラ]

オーロラという発光現象は、はるばる太陽からやってくるプラズマ(太陽風)がもともとの主役だ。

太陽表面は6000℃の高温だが、それを取り囲む太陽の大気ともいうべきコロナは約200万℃という超高温だ。そう聞いてもわけが分からないが・・・。

そこで物質は通常の分子、原子ではなく、原子核や電子といった荷電粒子にバラバラになっている。

それがプラズマだ。

プラズマは原子核(陽子など)とか電子だが、オーロラ現象でいう主役は主に電子だ。

プラズマ粒子はその荷電故に地球の磁場に捕らえられ、太陽の反対側、つまり夜側に溜まるという。

それが何らかの理由(磁力線の絡みなどで?)により地球の両極の周辺に飛び込んでくる。

そのとき、大気と衝突し発光現象が起きる。

発光現象が起きるのは地上から80㎞~500㎞の高度だという。

100㎞内外から上が宇宙だというから、要するにそこは宇宙であり、雲もなく、飛行機も飛ばない世界だ。

高度が200~500㎞程度では赤いオーロラが発光する。

比較的エネルギーの低いプラズマが酸素原子に衝突し、一番手近な電子を励起させて発光を起こす。

一番典型的な緑のオーロラは100~200㎞ぐらいに起き、同じく酸素原子との衝突だがプラズマのエネルギーが大きい分、励起幅も大きく従って色も違う。

赤紫に見えるオーロラは80㎞~100㎞程度の低い位置まで侵入したエネルギーの大きいプラズマによって起こる。

衝突するのは低くなった高度では密度が大きい窒素分子だ。


緑色のオーロラは肉眼でもよく見えるが、緑がかっているが白っぽく見える。

明らかにオーロラと分かるものもあるが、雲と見まがうときもある。

現地にいるガイドは問われると、デジカメに撮して確認してくれという。

デジカメで写してモニターで見るとオーロラは鮮やかな緑色に写るし、雲はくすんだ白か、地上からの光を帯びて赤っぽい色に見える。

赤や、赤紫のオーロラは肉眼では暗く確認しづらい。

ただ、これもシャッター時間の長いデジカメで写せば、ちゃんと写っている。


今回のテーマはタイムラスプで動画風に撮ること。

写真集で芸術的なオーロラはたくさん見るが、動画はテレビで見るだけなので・・・

自分のつたない動画でも、静止画で見るのと全く違う。

芸術的、美学的なことを言っているのではなく、オーロラの実体を別角度で見る気がする。

もう一つのテーマは赤いオーロラを撮ること。

そのために、赤い星雲を撮るために改造したカメラを持って行った。

DSC01908.JPG


DSC01986.JPG


DSC02181.JPG


DSC02207.JPG


DSC02357.jpg


この改造カメラは、いわゆるローパスフィルタをはずしてあるので、全般的に赤っぽく写る。

それはおおむねホワイトバランス設定で相殺されているはずなんだが、いささか不安が残る。

だが、2番目と5番目の写真の赤い光は間違いなかろう。

緑の光の上にうねりながら上に伸びている。

緑の帯の下端もピンクになっている部分がある。

これが窒素分子による発色なのかなあ。


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