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2014.07.07 より

ゲル中 リン酸マグネシウムの結晶 [ゲル中結晶]

リン酸マグネシウム(Mg3(PO4)2)の溶解度を調べると非常に小さい。

これだとリン酸塩、マグネシウム塩のそれぞれの水溶液を混合すれば直ちに沈殿ができるはずだ。

しかし事はそうは運ばない。

多分、中性付近ではMg3(PO4)2ではなく、たとえばMg(HPO4)やMg(H2PO4)2などが形成され、それらが一定の溶解度をもっているためと思われる。

同様に炭酸マグネシウム(MgCO3)も炭酸カルシウム(CaCO3)ほどではないが、小さい溶解度にかかわらず、炭酸水素ナトリウム(重曹)水溶液と塩化マグネシウム水溶液をあわせても容易には沈殿を生じない。

これもMgCO3ではなく、Mg(HCO3)2を形成しているためではないかと思われる。


そこで、上層の水溶液には塩化マグネシウム、下層のゲル層にはリン酸2ナトリウムとともに、炭酸アンモニウムを加えてみた。

そしたら見事に結晶が生成した。

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炭酸塩よりリン酸塩の溶解度が小さいので、表題には一応リン酸マグネシウムとしたが、炭酸マグネシウムとの混晶かもしれない。

当然、分析すれば分かることだが、当方、定量分析をする構えもしていないし、そこまでの意欲もない。

まっ、そのうち分かるだろう。

それにしてもこの結晶、斜めに交わる十字架やX字型。

たまたまその形になったものではなく、大きさは違えど相似形の結晶が沢山できている。

結構大きいものもある。

あらためて結晶の形態とはどのような要因によるものか考えさせられる。
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