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2014.07.07 より

ゲル中 蓚酸カルシウムの結晶 [ゲル中結晶]

いきなりだが、蓚酸は英語名でoxalic asid(オキザリック アシッド)だが、このブログでよく取り上げているありふれた雑草 カタバミ(片喰)の英語名はOxalis(オキザリス)だ。

というわけで、蓚酸はこのありふれた雑草から発見されたのだ。

葉をかむと酢っぱい味がするそうだが、かんだことはない。

いわゆるスイバと呼ばれる雑草は、子供の頃シンザイといい、学校の帰りに道端に生えているヤツを口に入れたりしたものだが、たしかに少し酢いい味がした。

この酢いい味はクエン酸とかの他の有機酸のせいでもあるけれど、蓚酸(の塩)が関与しているというのだ。

蓚酸は雑草だけではなく、ほうれん草やさつまいもなどのありふれた野菜にも含まれているというが、含有量のほどはよく分からない。

もともと天然の植物由来なんだから、あっても不思議じゃないじゃないか・・・

とは思うが、これが化学物質となると“劇物”指定だからややこしい。

まあ量の問題なんだから、あまり気にすることはないんだろうけど。


蓚酸はカルシウムと結合すると蓚酸カルシウムとなり、水に難溶性の結晶を形成する。

で、このブログに登場する ゲル中結晶 の対象となる。


この結晶、我々と関係することとしては(関係したくないけれど)、尿路結石の成分だということだ。

あれは痛い!・・・らしいな。

そこで、蓚酸を含む食品は結石を誘発するとかいって気にする人もいるが、いろいろな条件が合わさってできることだから食い物だけ考えてもね。


さて蓚酸カルシウムの結晶

試験管の状態

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取り出した結晶

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結晶の大きさは、今回、大きい物で長さが0.5㎜程度。

以前、関係薬品の濃度2倍で同じことをやっているが、そのときよりやや小さい。

これ以上、大きい物は得られないのだろうか?

形状は細長の6角形またはそれが合体したもので、先はとがっているが刺さるような感じには見えない。

というのはキウイやパイナップルに含まれる蓚酸カルシウムの結晶は細い針状結晶で、口内が荒れる原因だというネット記述があったからだ。

別の記述によれば、この針状結晶とタンパク質分解酵素のプロテアーゼが相乗的に作用して害虫を攻撃するのだという。

そういえば思い当たることがある。

孫(当時3才くらい)が来たときにパイナップルを食べさせたら、急に口がひりひりすると言って、翌日まで直らなかったことがあった。

その時はタンパク質分解酵素で粘膜が溶けたんじゃないかといわれたが、こういうことも関係しているのかも知れない。

パイナップルは自分が全部食べたけど、もちろん何ともない・・・子供の体は全く違うものだ・・・知らないことは恐ろしい。


ネットにある蓚酸カルシウムの結晶の写真は、大部分が正八面体ののもので、次に針状結晶で、本実験の写真のような形状は微細結晶の電子顕微鏡写真以外は見あたらなかった。

関心が体内で形成されるものに向いていて、ネットにあるものは大部分ペットにできた結石だからかもしれない。

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