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2014.07.07 より

久々のゲル中結晶 その6 硫酸バリウム in連通管 [ゲル中結晶]

硫酸バリウムはいわずとしれた胃や腸のレントゲンを撮るときの造影剤、いわゆる「バリウム」だ。


もちろん目に見えるような大きな結晶ではなく、水中に微細粒子を塗料のように分散させたものだ。

なぜ、硫酸バリウムが使われるのか?

詳しいことは知らない。

まああれだけ汎用されているんだから、毒性が少なく、X線を通さないんだろう。


だが、バリウムという金属はけっして無毒ではない。

それだけ硫酸バリウムという化合物が水に溶けにくく、従って体内に吸収されにくいということなんだろう。


まあでも、話は違うが、あのバリウム検査にはまいるね。

毎年1回受けてるけど、確かに昔に比べればバリウムを飲む量は少なくなって、便秘とかに苦しむことはなくなった。

しかし、その分、撮影中に自力で何回もゴロゴロさせられるし、ゲップが出たとか言って追加を飲まされたりする。

もうそろそろ受けなくてもいいかな・・というような気もしないでもない。



さて、本題だが、この結晶発生装置は、同じ連通管と言っても、アクリルパイプを2重に組み込んだもので、内側のパイプの底の部分に一部穴を開けてある。

こうすれば、パイプを横方向に連結させるのと同じ効果があるんじゃないかということで作ってみたものだ。

まっ、細工もしやすい。

だが、手抜きは手抜きだ。

内側の様子が見えにくい・・・・・当たり前だ。

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硫酸バリウムの結晶は以前にも普通の試験管で作っている。

今度はそのときより結晶が大きい。

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結晶形としてはいろいろあるが、何か類型的な要素もあるので、形状ごとに分類してみれば成分の異なった結晶でも横断的に分類することによって、成り立ちについて一般性が得られないかなと思ってみたりする。

久々のゲル中結晶その5 蓚酸カルシウム in連通管 [ゲル中結晶]

蓚酸カルシウムの結晶は、いわゆる尿路結石で知られている。

ネットで見ると、その結晶が写真で並べられているんだが、おもに猫の尿路結石だ。

写真で見る限り、きれいな正八面体の結晶だ。


ほうれん草やパイナップル中には蓚酸カルシウムが含まれており、その結晶形は針状結晶が多いようだ。


目標はもちろん正八面体結晶で、できれば大きいヤツだ・・・・・[手(グー)]


だったんだが、またしても裏切られた。


実は蓚酸カルシウム結晶は以前にも試験管で作り、載せている。


そのときにも針状でも八面体でもない、槍の穂先のような結晶ができた。


今回も、時間をかけた分、結晶がくっついた大きいものにはなったが、やはり形状は前回と同じだった。


連通管での結晶生成

実験期間(約半年)中、それぞれ2回、溶液を行進している。

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他の実験例と違うのはちょうど2物質が出会う地点に結晶が集中している点だ。

普通、結晶生成地点は移動していき、横方向の反応槽に点々と結晶ができるのだが、蓚酸カルシウムはいわゆる過飽和状態といった緩衝作用がないためか、カルシウムイオンと蓚酸イオンの出会い地点が、即、結晶生成地点になっているようだ。


結晶形

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長時間かけているので、結晶がたくさんくっつき合って、まるで水晶みたいになっている。

水晶だったらいいのに[たらーっ(汗)]

久々のゲル中結晶その4 炭酸バリウム in連通管 [ゲル中結晶]

アクリルパイプで手製した連通管で炭酸バリウムの結晶を視た。

溶液濃度は炭酸アンモニウム 0.2Mに対し、塩化バリウムは 0.2Mと 0.1Mで行ったが、

見た目が少しいい0.1Mでのものを載せる。

炭酸イオンCO3-- はバリウムイオンBa++ に比べ 動きがかなり遅いようなのだ。


溶液の更新は2回ずつ行っている。

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結晶の触手みたいなのはバリウム側に向いていて、大きさもバリウム側に行くほど大きくなっている。

炭酸イオン(炭酸水素イオン)の動きに応じて結晶が形成されているとみられる。

結晶形成も左から右への順になっている。


USB顕微鏡の写真

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結晶に限らず、花を撮すときでもそうなのだが、白いのはなかなか難しい。


人間の目で見たような画像にはなかなかならない。

久々のゲル中結晶その3 沃化鉛(Pb I2)別容器 [ゲル中結晶]

前回の本ブログで載せた沃化鉛結晶は普通の試験管で作ったものだ。

この方が簡単なんだが、いろいろ問題もある。

まず、ゲル中に反応物資の片割れを仕込まないといけないが、ゲル形成の条件があるので、諸々制約があるのだ。

そして、反応物質の追加は、少なくともゲル中物質にはできない。

まあ、“追加”の意味があるのかどうかは、今となっては疑問でもあるんだが、当時は大真面目に重要視していた。

この点、U字管にゲルだけを仕込み、双方の口からおのおのの反応物質の溶液を注ぐ方法にすると上記のような制約からかなり自由になるのだ。

ただ、この方法だと最初のゲル層には物質が含まれてないので、ゲルに反応物質が浸透拡散するまでかなりの時間を要することだ。

とにもかくにもやってみることにしたが、U字管は元々こんな用途のものではないので、容量が小さいものしかない。

それに高価だ。

それで、似たような機能になると思ってアクリル管と接着剤で作った。

この容器は形状や大きさいろいろ作ったが、最初の頃のものは炭酸カルシウムの結晶生成に使って、以前のブログに載せたことがある。

不器用の化身みたいな人間であるので、我ながらひどい出来上がりで、だからそのときはろくに容器の説明はしなかった。


さて、その反応容器と沃化鉛結晶の生成状況の写真だ。

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(それぞれの反応物質は途中で1回追加している。)


試験管の時のようなあの美しい結晶とはちょっとガラッと変わってしまった。

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黄金色の房のような、動物のシッポのような・・・・。


まあ条件が変わると同じ成分でも結晶形は大きく異なるということだね。


久々のゲル中結晶その2 沃化鉛(Pb I2) [ゲル中結晶]

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試験管下部は沃化カリウム(KI)を含む硅酸ゲル

上部は硝酸鉛(Pb(NO3)2の水溶液


写真は開始後、1ヶ月のもの。


そしてそのゲル中結晶の近接写真

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黄金色で成長の縞模様のようなものがあり、美しい。


これを取り出したら飾ってもいいほどきれいだろう・・と思っていたのだが。



その後半年経つと結晶の様相がかなり変わってしまった。

沃化鉛は難溶性のはずだから、いったんできた結晶は大きくなることはあっても形は変わらないと思っていたのだが、そうでもなかった。

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(注)青く見えるのは撮影時の背景


取り出した結晶の写真

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暑いこともあって、熱意が冷め、少しほっといたらこの有様。

結晶というのは、条件が変わるとどんどん形状が変わることは、雪の結晶(水の結晶)を見ても明らかだが、なんとなく無機塩では形状は一定だという思い込みがあった。

今後、思い切り身に染まされることになる。

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