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2014.07.07 より

2020火星 [天体]

2021年が始まった。

例年の如く、初日の出を撮そうと一応カメラの準備はしていたのだが、天気予報で曇りとあったし、日本海側での雪のニュースに少し怖じ気づいて事前に中止した。

今までなら予報で曇り気味でも、出かけていたのだが、そういうやる気が薄れていたことが大きい。

翌朝、空を見たら雲はあまりなく、機会を逸したような気分になったのだが、まっ、自業自得だ。

コロナの時代だから、外ではいつもマスクで、何だかやる気が出ない。

寒い日に戸外に出れば、老眼が曇ってカメラのファインダーやモニターが見えなくなるし・・・。


さて、話は変わるが去年の10月は火星の大接近だった。

正確に言うと、‘準’大接近。本当の大接近はその2年前の2018年だった。

火星は地球のすぐ外側を公転していて、公転周期は約2年弱。

従って、地球とは2年に1回接近することになる。

その間の年は太陽を挟んで向こう側にいる。

なので、遠いだけではなく昼間で見えないことになる。

火星と地球は近いときと遠いときの距離の比が大きく、火星の見かけの大きさは地球からの距離によって大きく違い、望遠鏡で写真撮影するには接近時が大チャンスだ。

2年ごとの接近といっても、その接近度合いはいつも同じではない。

火星の公転軌道が楕円形であるためだ。

2018年の接近時は大大チャンスだったはずなんだが、あいにく夏場(7月)にあたり惑星の高度が低く、我が家の撮影場所では家の陰に隠れてしまう。

それでせっかくのチャンスにと思って、鳥取の{さじアストロパーク」に泊まり、40㎝カセグレンで撮影してみたのだが、きれいな画像なのに、極冠を除けば以前撮影したような模様が見えず、ナゼだ?と何か拍子抜けがした。

そのあとで自宅でも撮影したのだが(8月)、同じことだった。

後日、天文マニアの投稿から、これが火星の砂嵐のせいだと知った。

昨年10月の大接近は、その時ほどの接近ではないものの、同程度の接近は今後、2033年までないというぐらいのチャンスだった。

惑星撮影用にバローレンズとCMOSカメラを買い、それなりに準備していた。

ちなみに撮影機材情報も、もっぱら天体マニアの投稿写真からである。

なまじの参考書よりこの方が遙かに実戦的だ(俺には)!


昨年の大接近は、火星との距離が最短になったのが10月6日、衝の位置に来たのが10月14日。

衝の位置とは、太陽、地球、火星が一直線に並ぶ位置である。

衝の位置では火星の南中時刻がほぼ零時になる。


それでは大接近のほぼ一月前に撮したものだが、載せる。

20-09-14_5_12連結.jpg



衝の位置でないから少し欠け気味である。

南中になる前(はじめの頃)は大気の揺らぎ、ノイズで少し不鮮明だ。

写っている部分はあの{大シルチス」や「ヘラス平原」、「子午線湾」だ。

おおむね、15分間隔ぐらいだが、1時間、間が空いたものもある。

火星の自転は地球とほぼ同じなので、表面の模様を見ると回転しているのが分かる。


火星のいろいろな方向から見た模様を比較したもの。

結合6.jpg



狙いを定めて撮したものではなく、条件が良いときに撮したものをあとから分類して並べたものだ。

11月に撮したものは、もう遠くなりかけていて見かけが小さくなっている。

本で調べて、おもな地名を書き加えた。

結合6拡大text.jpg



月の地名にならって、暗い部分は‘海’とか‘湾’と名付けられているが、当然、水をたたえているわけではない。

‘オリンポス山’とおぼしきものが白っぽい丸として写っていたので記す。

本家であるギリシャの‘オリンポス山’は標高2918mだそうだが、こちらは25000m、
一桁違う。

裾野の直径は500kmで、東京ー大阪間に匹敵するというから超巨大な火山だ。


それとマリネリス渓谷がある部分も暗くなっているのだが、渓谷のために暗いのかどうかは怪しいので、記さなかった。

昔であれば、望遠鏡に映った模様を頼りにあれこれ想像を巡らしていたのだろうが、今ではたくさんの探査機が降り、歩き回り写真を撮りまくっている。

マリネリス渓谷の存在などその産物で、そんなでかい渓谷でも地球からの望遠鏡ではそうそう見えない。

そのような中、自分の持っているおもちゃの隣のような望遠鏡にもオリンポス山が映っていたのが少し感激だ。


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