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2014.07.07 より
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久々のゲル中結晶 その11 炭酸カルシウム in連通管 そのまた4 [ゲル中結晶]

微雨が冷たく降っている

今日は大みそか

さして感慨もない

昨日のように穏やかであれば墓参りに行こうと思って、花も準備しているんだが、今日は中止だな。

墓と言っても山だからな!



さて、炭酸カルシウムシリーズ 当面の終わり


装置の横向きの中間槽を長くしてみた

結晶生成の様子を際立たせるためだ


左の炭酸塩溶液槽を炭酸アンモニウムと重炭酸ナトリウムの混合としてみた

pHが上がりすぎないためだ


装置

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結晶

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見ての通り、結果はさして変わらない

目標は、何回も言うが、一辺が5㎜程度の正六面体か平行六面体だ

それが確実に生成する条件を探す


道は遠いな[わーい(嬉しい顔)]

久々のゲル中結晶 その10 炭酸カルシウム in連通管 そのまた3 [ゲル中結晶]

今回載せる装置は、両側の反応液容器に加え、中間の槽を付け加えたことだ。


なんで?・・かというと、結晶ができる槽にゆったりしたスペースを確保するとともに塩化アンモニウムを添加するためである。

塩化アンモニウムは炭酸カルシウムの溶解度を高める働きをする(正確には易溶解性の炭酸水素カルシウムを安定化する)ようで、別法の炭酸カルシウム結晶作成にも応用されている。(ただし、この場合、かなりの高温高圧下だから、本法で同様の効果は期待できないかもしれない。)


さて、装置

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結晶

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装置の作製に手間が要った割には結晶は小ぶりで、期待外れだった。

中間層の塩化アンモニウム溶液槽に結晶ができれば、透明度の高い結晶になると期待したんだが、無理だった。


道なお遠し[アート]


久々のゲル中結晶 その9 炭酸カルシウム in連通管 そのまた2 [ゲル中結晶]

前回載せたものと、ほとんど同じ操作をやった結果、ほとんど同じ結果となった[ちっ(怒った顔)]

装置

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USB顕微鏡による結晶

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相変わらずスペースシャトルのようなのが多いな。


次はそのスペースシャトルを裏側から撮したもの

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液更新時に、炭酸アンモニウムに替えて、重炭酸ナトリウムとしたのは、このままではpHが上がりすぎると思ったから・・・・。

pHが高いと溶液中の炭酸水素カルシウムの割合が少なくなり、炭酸カルシウムの結晶ができやすく、結晶が小さくなり易いと考えたからだ。

逆にpHが低くなると炭酸水素カルシウムが二酸化炭素ガスを放出して分解し、ゲル中に泡がたくさんでき、ゲルが壊れる可能性がある。

とまあ、これは自分が想像するシナリオなんだが、本当のメカニズムは分からない。

(当方が分からないだけで、実は自明のことなんか知らんがね・・・[ー(長音記号2)]

この方法はもう限界か・・・判断しなければならないようだ。

久々のゲル中結晶 その8 炭酸カルシウム in連通管 そのまた1 [ゲル中結晶]

同じことを何回繰り返しても結果は同じだろう?


そうなんだけど、主観的には同じことでも、偶然、違う要素が混じるかもしれん。

繰り返しても同じなら、そこではじめて“必然”ということが分かるんじゃないか?

とかなんとか言って、偶然でも突然でもいいから6面体の大きくて美しい結晶ができて欲しいんだ。


いままで試験管で行った実験でただ1回だけ、微小結晶群から離れた位置にぽつんと2~3㎜の6面体結晶ができた。

これを再現したいんだ。

できれば透明なヤツを!

で、がむしゃらに繰り返す!


その第一回


装置

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結晶のUSB顕微鏡写真

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何故かしら、スペースシャトルのようなヤツが必ずできるな・・・・。

久々のゲル中結晶 その7 硫酸カルシウム in連通管 [ゲル中結晶]

硫酸カルシウムはいわゆる「石膏」だ。

石膏は「石膏ボード」とか「石膏像」など日常生活にえらくなじみがある物質だ。

その態様から、当然、水不溶性だと誰もが認識している。

だが、実は炭酸カルシウム(石灰、大理石)ほどではなく、多少、水に溶ける。

この若干の水溶解性のせいか、大きな結晶が成長しやすい。

擬人的に表現すれば、しっこの近い人は遠くのトイレが間に合わず、近くでチョビチョビしてしまうが、多少余裕のある人はトイレまで我慢してそこでたっぷりする。

違うか? ご無礼!



結晶作りで、本来の目標にしているのは炭酸カルシウムだ。

あの六面体のサイコロのような形状にわくわくする。

だが、なかなかうまくいかない。

炭酸カルシウムの溶解度が非常に小さいのも一因だ。

この障害の抜け道になっているのが、「炭酸水素カルシウム」で、かなり溶解度がある。

一端、炭酸水素カルシウムを生成し、水中で目的の結晶表面まで移動し、そこで二酸化炭素を放出して不溶性の炭酸カルシウムとなり結晶を成長させる。

というのが虫のいいシナリオなんだが、今のところ全然ダメダメだ。



さて、硫酸カルシウムに戻る。

連通管での結果だ。途中で1回溶液を更新している。

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結晶の数が少なく、やっぱり、あのチョビチョビじゃなく、“たっぷり”なのかな。

数が少ないと言っても、結晶は小さい結晶の集合体だ。やりすぎだろう。

まっ、水晶の標本なんかにこんなのが多いけど

大きくなるんなら大きい一つの結晶にしてほしい。


個別のUSB顕微鏡写真

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きれいなのはきれいだけれど・・・

久々のゲル中結晶 その6 硫酸バリウム in連通管 [ゲル中結晶]

硫酸バリウムはいわずとしれた胃や腸のレントゲンを撮るときの造影剤、いわゆる「バリウム」だ。


もちろん目に見えるような大きな結晶ではなく、水中に微細粒子を塗料のように分散させたものだ。

なぜ、硫酸バリウムが使われるのか?

詳しいことは知らない。

まああれだけ汎用されているんだから、毒性が少なく、X線を通さないんだろう。


だが、バリウムという金属はけっして無毒ではない。

それだけ硫酸バリウムという化合物が水に溶けにくく、従って体内に吸収されにくいということなんだろう。


まあでも、話は違うが、あのバリウム検査にはまいるね。

毎年1回受けてるけど、確かに昔に比べればバリウムを飲む量は少なくなって、便秘とかに苦しむことはなくなった。

しかし、その分、撮影中に自力で何回もゴロゴロさせられるし、ゲップが出たとか言って追加を飲まされたりする。

もうそろそろ受けなくてもいいかな・・というような気もしないでもない。



さて、本題だが、この結晶発生装置は、同じ連通管と言っても、アクリルパイプを2重に組み込んだもので、内側のパイプの底の部分に一部穴を開けてある。

こうすれば、パイプを横方向に連結させるのと同じ効果があるんじゃないかということで作ってみたものだ。

まっ、細工もしやすい。

だが、手抜きは手抜きだ。

内側の様子が見えにくい・・・・・当たり前だ。

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硫酸バリウムの結晶は以前にも普通の試験管で作っている。

今度はそのときより結晶が大きい。

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結晶形としてはいろいろあるが、何か類型的な要素もあるので、形状ごとに分類してみれば成分の異なった結晶でも横断的に分類することによって、成り立ちについて一般性が得られないかなと思ってみたりする。

久々のゲル中結晶その5 蓚酸カルシウム in連通管 [ゲル中結晶]

蓚酸カルシウムの結晶は、いわゆる尿路結石で知られている。

ネットで見ると、その結晶が写真で並べられているんだが、おもに猫の尿路結石だ。

写真で見る限り、きれいな正八面体の結晶だ。


ほうれん草やパイナップル中には蓚酸カルシウムが含まれており、その結晶形は針状結晶が多いようだ。


目標はもちろん正八面体結晶で、できれば大きいヤツだ・・・・・[手(グー)]


だったんだが、またしても裏切られた。


実は蓚酸カルシウム結晶は以前にも試験管で作り、載せている。


そのときにも針状でも八面体でもない、槍の穂先のような結晶ができた。


今回も、時間をかけた分、結晶がくっついた大きいものにはなったが、やはり形状は前回と同じだった。


連通管での結晶生成

実験期間(約半年)中、それぞれ2回、溶液を行進している。

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他の実験例と違うのはちょうど2物質が出会う地点に結晶が集中している点だ。

普通、結晶生成地点は移動していき、横方向の反応槽に点々と結晶ができるのだが、蓚酸カルシウムはいわゆる過飽和状態といった緩衝作用がないためか、カルシウムイオンと蓚酸イオンの出会い地点が、即、結晶生成地点になっているようだ。


結晶形

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長時間かけているので、結晶がたくさんくっつき合って、まるで水晶みたいになっている。

水晶だったらいいのに[たらーっ(汗)]

久々のゲル中結晶その4 炭酸バリウム in連通管 [ゲル中結晶]

アクリルパイプで手製した連通管で炭酸バリウムの結晶を視た。

溶液濃度は炭酸アンモニウム 0.2Mに対し、塩化バリウムは 0.2Mと 0.1Mで行ったが、

見た目が少しいい0.1Mでのものを載せる。

炭酸イオンCO3-- はバリウムイオンBa++ に比べ 動きがかなり遅いようなのだ。


溶液の更新は2回ずつ行っている。

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結晶の触手みたいなのはバリウム側に向いていて、大きさもバリウム側に行くほど大きくなっている。

炭酸イオン(炭酸水素イオン)の動きに応じて結晶が形成されているとみられる。

結晶形成も左から右への順になっている。


USB顕微鏡の写真

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結晶に限らず、花を撮すときでもそうなのだが、白いのはなかなか難しい。


人間の目で見たような画像にはなかなかならない。

久々のゲル中結晶その3 沃化鉛(Pb I2)別容器 [ゲル中結晶]

前回の本ブログで載せた沃化鉛結晶は普通の試験管で作ったものだ。

この方が簡単なんだが、いろいろ問題もある。

まず、ゲル中に反応物資の片割れを仕込まないといけないが、ゲル形成の条件があるので、諸々制約があるのだ。

そして、反応物質の追加は、少なくともゲル中物質にはできない。

まあ、“追加”の意味があるのかどうかは、今となっては疑問でもあるんだが、当時は大真面目に重要視していた。

この点、U字管にゲルだけを仕込み、双方の口からおのおのの反応物質の溶液を注ぐ方法にすると上記のような制約からかなり自由になるのだ。

ただ、この方法だと最初のゲル層には物質が含まれてないので、ゲルに反応物質が浸透拡散するまでかなりの時間を要することだ。

とにもかくにもやってみることにしたが、U字管は元々こんな用途のものではないので、容量が小さいものしかない。

それに高価だ。

それで、似たような機能になると思ってアクリル管と接着剤で作った。

この容器は形状や大きさいろいろ作ったが、最初の頃のものは炭酸カルシウムの結晶生成に使って、以前のブログに載せたことがある。

不器用の化身みたいな人間であるので、我ながらひどい出来上がりで、だからそのときはろくに容器の説明はしなかった。


さて、その反応容器と沃化鉛結晶の生成状況の写真だ。

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(それぞれの反応物質は途中で1回追加している。)


試験管の時のようなあの美しい結晶とはちょっとガラッと変わってしまった。

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黄金色の房のような、動物のシッポのような・・・・。


まあ条件が変わると同じ成分でも結晶形は大きく異なるということだね。


久々のゲル中結晶その2 沃化鉛(Pb I2) [ゲル中結晶]

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試験管下部は沃化カリウム(KI)を含む硅酸ゲル

上部は硝酸鉛(Pb(NO3)2の水溶液


写真は開始後、1ヶ月のもの。


そしてそのゲル中結晶の近接写真

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黄金色で成長の縞模様のようなものがあり、美しい。


これを取り出したら飾ってもいいほどきれいだろう・・と思っていたのだが。



その後半年経つと結晶の様相がかなり変わってしまった。

沃化鉛は難溶性のはずだから、いったんできた結晶は大きくなることはあっても形は変わらないと思っていたのだが、そうでもなかった。

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(注)青く見えるのは撮影時の背景


取り出した結晶の写真

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暑いこともあって、熱意が冷め、少しほっといたらこの有様。

結晶というのは、条件が変わるとどんどん形状が変わることは、雪の結晶(水の結晶)を見ても明らかだが、なんとなく無機塩では形状は一定だという思い込みがあった。

今後、思い切り身に染まされることになる。

久々のゲル中結晶 塩化銅(Ⅰ)? [ゲル中結晶]

表題に“?”が付いているのは正体がちょっと怪しいからだ。

まっ、いいね!

どうせ自分のブログだから・・・。

試験管中の硅酸ゲル中で塩化銅の結晶を作成してみた。

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下部は食塩を含む硅酸ゲル

上部は硫酸銅(Ⅱ)、亜硫酸水素ナトリウムの水溶液


写真は開始後、半年を過ぎたもので、溶液が拡散し終えているので、色が上下とも同じようだ。

ゲル中に結晶ができている。

近接写真

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塩化銅(Ⅰ)というからには銅のⅠ価塩を使うべきだろうが、新たに購入するのも何なので、亜硫酸水素ナトリウムで還元してもらうことにした。

ゲル中の食塩と反応して難溶性の塩化銅(Ⅰ)を生成するという段取りだ。

化学辞典で見ると塩化銅(Ⅰ)は白色の正四面体となっている。

本当に正四面体できたなら結晶作りの醍醐味だあぁ

で、取り出してみた結果は?

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1辺が1.5㎜ぐらいの緑色の三角錐

ところどころハゲハゲに白くなっている。

緑色は酸化してⅡ価塩になっている部分だろう。


参考に、開始して一月ぐらいの写真

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まだ、結晶形が定まらない感じだ。


公表されている文献によると、塩化銅(Ⅰ)の塩酸溶液を拡散・希釈し、析出させる方法で7~8㎜の結晶を得たとある。

それに比べると、我が方は緑っぽいし、形が崩れてるし、小さいし・・・。

でもいいんだ。それでも感激だ。

ゲル中炭酸カルシウムの結晶 ー1年の始末は体たらくーその2 [ゲル中結晶]

今日は朝から雨だ。

薄暗くて寒々しいが、気温はそれほど低くない。

これから寒気が入って、寒くなるらしい。


さて、きのう載せた炭酸カルシウムの結晶発生器の双子みたいな装置。

ほぼ同時期に始めたのだが、これは炭酸塩部分を最初から0.2M濃度にして更新も同濃度を繰り返した。

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両側の原料溶液を更新しさえすれば結晶は否応なく増えて、大きくなる!?


というのは頭で考えた浅はかな空想(妄想)だったわけで、更新2回目以降は状況に変化無かった。


中央の接続カラムに発生した結晶たち

向かって左側(炭酸塩側)

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星形の結晶が散在している。それなりにファンタスティックではある。


向かって右側(塩カル側)

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左(装置中央)に大きな星形結晶、右側に長い結晶2~3 拡大

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ついでに赤外線照明で撮った写真だ

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下は取り出して個別に撮った顕微鏡写真

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5000円札の背景で

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便せんの罫線の上で

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結晶は大きなもの(5ミリ以上)でどんなだろうとすごく期待したが、取り出したものはいびつで、長いものは中が空洞のように見える。

大きなものは透明感が低いから複屈折を呈すかどうか確かめようがない。

比較的小振りなものでは背景が見えるが、厚みが少ないし、いびつなので複屈折があるとも無いとも・・・・???


今回も残念な結果ではあったが、5ミリ以上の大きさという目標の一部は達成したことになる。


どうして結晶の成長が止まるのか?

どうして方形のものが少ないのか?

どうして透明感が悪いのか?


分からないことは一杯ある。

今年で自分は69才になる。

ということは来年からは車の運転でもあのへんてこりんな札を付けることになるのだ。

75才からはあの「後期高齢者」となる。

実は「後期高齢者」といってもよく分かってないが、とにかく生きるだけでも大仕事の年齢というイメージだ。

実験を続けられるのも、長くてそのあたりまで・・・もうすぐだ。

その時には試薬などの処分もやっておかねばならないし・・・ね。
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ゲル中炭酸カルシウムの結晶 ー1年の始末は体たらくーその1 [ゲル中結晶]

今日は穏やかな天気だ。

3月並の陽気だという。

そういえば、きのうは節分で、今日は立春だ。

きのう、買い物帰りに通りかかった亀山神社前は車が順番待ちで路上に長蛇の列。

何の順番だろう?


去年の1月頃から年末にかけて、丸一年、珪酸ゲル中で炭酸カルシウムの結晶を育ててみたものの、その結果は体たらく。


以前にも用いたことのある、アクリルパイプで作った結晶発生器の下部に珪酸ゲルを仕込み、両側に炭酸アンモニウムと塩化カルシウムの溶液を入れ、放置する。

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この方式は何も含んでない珪酸ゲル層から始めるので、最初に珪酸ゲル層に拡散するまでは結晶は全くできない。


両溶液を更新してからしばらくして結晶ができはじめる。


このときはちょうど夏場にかかっていたので、何もする気が起きず、見やりもせずに放置していたので、知らぬ間に結晶ができていた。

ただ、炭酸塩の濃度が低すぎたと見え、結晶が炭酸塩側のカラムに微結晶とそして生成してしまった。

2回目の更新からは炭酸塩を2倍にして継続する。


その結果、真ん中のカラムに結晶ができはじめた。


その後、更に液を更新するも変化無いのでとりあえず終了した。

結晶ができている部分の画像

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以下は結晶を取り出した後、拡大写真を撮ったもの

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ピンクが混じった針状結晶は炭酸カルシウムではなく、ゲル作製の際に使ったpH指示薬の結晶と思われる。

いわゆる方形の結晶はいびつな形になったものが散見されるだけ。

今回の特徴は球根がくっついたような、クラゲのような独特の形状だ。

何なんだろう?

炭酸カルシウムであることは間違いないだろうが、これもカルサイトなのか?

どうしてこういう形になるのか?
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ゲル中 蓚酸カルシウムの結晶 [ゲル中結晶]

いきなりだが、蓚酸は英語名でoxalic asid(オキザリック アシッド)だが、このブログでよく取り上げているありふれた雑草 カタバミ(片喰)の英語名はOxalis(オキザリス)だ。

というわけで、蓚酸はこのありふれた雑草から発見されたのだ。

葉をかむと酢っぱい味がするそうだが、かんだことはない。

いわゆるスイバと呼ばれる雑草は、子供の頃シンザイといい、学校の帰りに道端に生えているヤツを口に入れたりしたものだが、たしかに少し酢いい味がした。

この酢いい味はクエン酸とかの他の有機酸のせいでもあるけれど、蓚酸(の塩)が関与しているというのだ。

蓚酸は雑草だけではなく、ほうれん草やさつまいもなどのありふれた野菜にも含まれているというが、含有量のほどはよく分からない。

もともと天然の植物由来なんだから、あっても不思議じゃないじゃないか・・・

とは思うが、これが化学物質となると“劇物”指定だからややこしい。

まあ量の問題なんだから、あまり気にすることはないんだろうけど。


蓚酸はカルシウムと結合すると蓚酸カルシウムとなり、水に難溶性の結晶を形成する。

で、このブログに登場する ゲル中結晶 の対象となる。


この結晶、我々と関係することとしては(関係したくないけれど)、尿路結石の成分だということだ。

あれは痛い!・・・らしいな。

そこで、蓚酸を含む食品は結石を誘発するとかいって気にする人もいるが、いろいろな条件が合わさってできることだから食い物だけ考えてもね。


さて蓚酸カルシウムの結晶

試験管の状態

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取り出した結晶

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結晶の大きさは、今回、大きい物で長さが0.5㎜程度。

以前、関係薬品の濃度2倍で同じことをやっているが、そのときよりやや小さい。

これ以上、大きい物は得られないのだろうか?

形状は細長の6角形またはそれが合体したもので、先はとがっているが刺さるような感じには見えない。

というのはキウイやパイナップルに含まれる蓚酸カルシウムの結晶は細い針状結晶で、口内が荒れる原因だというネット記述があったからだ。

別の記述によれば、この針状結晶とタンパク質分解酵素のプロテアーゼが相乗的に作用して害虫を攻撃するのだという。

そういえば思い当たることがある。

孫(当時3才くらい)が来たときにパイナップルを食べさせたら、急に口がひりひりすると言って、翌日まで直らなかったことがあった。

その時はタンパク質分解酵素で粘膜が溶けたんじゃないかといわれたが、こういうことも関係しているのかも知れない。

パイナップルは自分が全部食べたけど、もちろん何ともない・・・子供の体は全く違うものだ・・・知らないことは恐ろしい。


ネットにある蓚酸カルシウムの結晶の写真は、大部分が正八面体ののもので、次に針状結晶で、本実験の写真のような形状は微細結晶の電子顕微鏡写真以外は見あたらなかった。

関心が体内で形成されるものに向いていて、ネットにあるものは大部分ペットにできた結石だからかもしれない。

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ゲル中 蓚酸鉄の結晶 -ゲルについて- [ゲル中結晶]

このブログで“ゲル”と言っているものは、化学になじんだ人には常識だが、一般にはぼんやりした認識かも知れない。

“ゲル”という語感からも直感できるが、これは ゲル=gel 、ゼラチン=gel・a・tin だからかもしれない。

“ゲル”を辞典ふうに解説するとより分かりにくいため、ここは“ゼリー”を思い浮かべた方がイメージしやすい。

こんにゃくゼリー・・・うんうん、羊羹でもいい。

市販のゼラチンなら3~5%ぐらいで、寒天なら1%もあれば固いゼリーが作れる。

大部分は水なのに、全体が流動性のない固形になる。

単に粘度が高くなって、流れにくくなったわけではない。

このゼリー、微視的にはどうなっているかというと、ゼリー形成物質(ゼラチン、寒天など)が網の目状の骨格を作っており、その隙間に水分子が居るという構造なのだ。

ここで水は、物を溶かすとかの、液体の水としての性質はそのままながら、比重差等による対流とかの流動はできない。

運動は、基本的にちょこまかした分子運動のみである。

そこでこの水に溶けた物質も分子運動のみの超スローな拡散のみとなるのだ。

このブログで取り上げている難溶性物質の結晶も、通常の水溶液であれば、2種の物質の出会いとともに瞬時に形成し、微細な粒子の沈殿を形成するだけだろう。

このゲル中での超スローな反応により、大きくて整った結晶が形成される(可能性がある)のだ。

まさに“スローライフ”だな。



さて、蓚酸鉄の結晶

試験管の状態は

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下部の褐色は塩化鉄(Ⅲ)に由来する水酸化鉄(Ⅲ)かもしれない。

ゲル層の上部、黄緑の部分は蓚酸に還元されたⅡ価鉄イオンか?

で、ミカン色の結晶は何?

色から見ればⅢ価塩にも見えるが、辞典によるとⅢ価塩は水に溶けるそうだ。

やはり、周辺はⅡ価だし、Ⅱ価塩のようだ。


結晶の写真

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棒状のものや十字状のもの、ランダムのように見えて形状はいずれも類似していて、何らかの法則性はあるようだ。

拡大してみるとさらに層状構造がある。

これ以上は突っ込みようがない。

素人はここで退却[もうやだ~(悲しい顔)]


ちなみにここでの“ゲル”は珪酸ゲル、珪酸ナトリウム(水ガラス)の水溶液を酸で中和するとゲルになる。

ゼラチンや寒天と違って無機物であり、ちょっと安定。

だが、透明性が寒天レベルで、ゼラチンには劣るのがちょっと難。
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ゲル中 蓚酸銅の結晶 [ゲル中結晶]

12月だがそれにしては、たいがい寒くない毎日だ。

今日も結晶のことを載せる。

友人に「結晶の何が面白いの?」と言われた。

要するに、その価値やら意味やらが分からないものは、記事や写真を見ても評価しようもないし、見る気も起きないということだろう。

花や星については、人によって度合いは違うにしても、美しいと思う感性は共通している。

写真もそういうふうに撮るし、見る方もそういうふうに観るだろう。

だが、結晶は・・・・

たしかにダイヤモンドを引き合いに出さずとも、水晶などもおおかたの人は美しいと感ずるだろう。

これらは自然界で生成した結晶だ。

表面の光沢の美しさもあるが、形状も数学的というか幾何学的な美しさもある。

自分が結晶に求めているものもそういう類のことである。

現実に、ミョウバンは正八面体、食塩は六面体の美しい結晶になる。

今、自分がゲル中にこだわっているのは、水不溶、難溶性の結晶、つまり宝石のような結晶を得たいからだ。

このような物質を通常の水中で結晶させれば、非常に微細な物になって、電子顕微鏡でなければ結晶かどうか分からない程度の大きさになってしまう。



だが、なかなかダイヤや水晶のような結晶はできない。

だから自分だって、できた結晶を見たり、写真に撮ったりしても、別に随喜の涙を流したりはしていない。

だが、いつかはという思いはある。


今年のノーベル物理学賞、化学賞を解説する人が、「これがどういう役に立つか?」といった定番の質問に対し、「何もない、ただ知的好奇心ですよね」と答えていたが、今年のものはとくにそういった類のテーマだった。

もちろん、自分のやっていることは、同じ「好奇心」でも月とすっぽん、『へそのゴマはどうやったらうまくとれるか?』といった程度の愚にもつかないことだけれど。


では何故ブログに載せるのか?

それはブログに載せることで実験の整理ができていることなのだ。

この年になると次々と忘却が進み、今まで何ができて何ができなかったかということさえ分けがわからなくなってしまう。

誰が見てくれているか分からないし、もしかすると誰もいないかも知れないが、仮想の見物人に見せるために整理しているのだ。



さて、蓚酸銅

仕掛けはいつものように試験管で・・・

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顕微鏡写真

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顕微鏡写真で分かったことがある。

結晶は真円または楕円の球状だが、色が青、水色、白とあることだ。

結晶のできる位置によるかもしれない。

結晶を採取するときはごちゃ混ぜにしているから・・・

色は成分の違いによるものだろうか?

単なる蓚酸銅や塩基性蓚酸銅?、もしかすると蓚酸で還元されたⅠ価の銅塩?

後者についてはどうかとは思うが、ほんとの研究とはこの辺からなんだが、今の自分にはとうてい及びもつかないテーマだ。

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ゲル中 蓚酸マンガンの結晶 [ゲル中結晶]

地球温暖化というのはどの地域も、いつの時期も均等に進むわけではない。

地球上には極寒の地域や常夏の地域、雨が珍しい砂漠地帯などいろいろな場所がある。

そういうことを考えれば、総体としての「温暖化」が進行しても、どの地域も同様に進行するわけではないことは容易に想像できる。

だがなんとなくそういうものだと考えてしまっていた。

今年の12月は今のところおおむね暖かいが、1日だけすごく寒い日があった。

それはサウジアラビアの砂漠を雪まみれにした寒気が地球を半周してやってきたからだそうだ。

その寒気は元々は北極から吹き出たもので、その北極は温度が上昇し、氷がますます溶けている(或いは冬に氷が増えない?)そうだ。


ところで、アメリカの次期大統領トランプ氏は「温暖化はでっち上げだ」として温暖化の国際協定からも脱退する構えだ。

アメリカは前科がある。

京都議定書の時も、最初は主導していながら、政権が変わると脱退した。

「温暖化」対策に反対する人は大きく分けて二通り居る。

一つは、トランプ氏のように「温暖化」そのものを認めない人

もう一つは、温暖化は悪いこと(ばかり)じゃないから必要ないという人

後者はたとえば、暖かくなれば作物が良く育ち、生産性が上がるというようなことだが、以前はよくそういう論者がいたものの、今は目立たなくなった。

困りものなのはトランプ氏のような人だ。

本音は石油やガスで大もうけしたいということなのに、それを隠して民衆を扇動する。

問題の本質を避けて、とりあえず民衆が求めていることに迎合し、煽動する。

ポピュリストだな。


さて、蓚酸マンガンの結晶


試験管中で生成した結晶は小さないが餅のようで、中にあんこでも入っていそうだ。

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しかし、取りだして顕微鏡カメラでみると小さなとがった結晶が密集したものだ。

マンガン塩らしくややピンクを帯びている。

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以上のような試験管での実験では、せいぜいこんなもんだろうと思う。

今後は,U字菅を模した手製の試験装置でつなげていきたい。
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ゲル中 酒石酸鉛の結晶 [ゲル中結晶]

酒石酸は多くの金属イオンと水難溶性の塩を作る。

特に酒石酸カルシウムは、やりようによっては大きくて美しい結晶になる。

ただゲル境界面で生成する結晶はいくらでも大きい結晶は得られるが、あまり美しいとは言えない。

ゲル内部で無重力空間でのような美しい結晶を得たいものだ。


さて、この酒石酸鉛、ゲル中での結晶形成過程は小さな結晶が連なって樹状を形成し、期待させた。

下の写真は形成過程のもの

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しかし、取りだしてみるとやや期待はずれ

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結晶の形態というのは成分が同じだからといって、いつも同じというわけではない。

結晶の立場からいえば、確固とした理由によって形状が決まるのだろうが、いかんせん無知な当方では計り知れるものではない。

想像といえばまだ聞こえはいいが、憶測、妄想といったおよそ科学的ではない手法で次の条件を考えることになる。


憶測・・・妄想???

「邪馬台国はどこにあった?」とかでは楽しいもんだろうがね

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ゲル中 炭酸マグネシウム・カルシウムの結晶 [ゲル中結晶]

この2,3日は快晴の日が続いた。

このところずっと曇りがちで、小雨が降ってくるような天気だったのに久しぶりだ。

そういうことで、先の3日の夜には野呂山で星を撮影してみた。

その前に、偵察的に行ってみていたのだが、そのときは雲が出て中止していた。

3日の夜も、いろいろ不具合はあったが撮影はできた。

これからは我が家の庭にこだわらず、撮影対象も増やせそうだ。


きのうは急遽、三段峡に行ってみた。

NHKの朝のニュースで「紅葉が見頃」と聞いたからだが、それほど「見頃」ではなかった。

それでも良い天気でスカッとした。

今日も良い天気なのだが、朝、墓参りしただけで、休養しよう。



さて、結晶の続き

炭酸マグネシウムは沈殿しにくいというのは以前のブログに書いたが、カルシウムとの混晶は得られやすいというような情報を化学大辞典で見たので試みた。

上層の液層には塩化マグネシウムと塩化カルシウムの0.1M溶液

下層のゲル層には炭酸アンモニウム0.15Mを仕込んだ。

その結果がこれ。

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取りだした結晶

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試験管中の結晶は丸い粒で、ゲル上層では若干縞模様を形成する。

これも、不思議なことに液層のガラス壁にも薄い縞模様が現れた。

結晶は、大きいもので直径0.5mm程度の小球だ。

小球は白色不透明だから微少結晶が集積したものだろうが、正確な球状だ。
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ゲル中 リン酸マンガンの結晶 [ゲル中結晶]

マンガン元素は、周期律表でいうと鉄の左隣にあり、飲料水などの水質検査では鉄とコンビで分析されたりと鉄の兄弟のイメージがある(自分だけかも)。

しかし、リン酸塩との関係では鉄とずいぶん挙動が違う。

どちらかというとカルシウムの挙動に近い。


で、リン酸マンガンの結晶を得るために、試験管の上層にリン酸2ナトリウムの水溶液を、下層のゲル層に硫酸マンガンを配した。

その結果はこうだ。

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ゲルの上層にはリーゼガング現象のような縞模様ができた。

結晶は小球の粒のように見える。

そして、リン酸銅の時と同様、上層の溶液層のガラス壁にも縞模様ができた。

またまた何だろね!


結晶を取りだして顕微鏡写真を撮る。

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写真によって色合いが違うが、光の当たり具合の違いだ。

おおむね淡いピンクといったところ。

2価のマンガンイオンの色だ。

驚いたことに小球の粒だと思った結晶は針状結晶の束のようなものだった。

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ゲル中 リン酸マグネシウムの結晶 [ゲル中結晶]

リン酸マグネシウム(Mg3(PO4)2)の溶解度を調べると非常に小さい。

これだとリン酸塩、マグネシウム塩のそれぞれの水溶液を混合すれば直ちに沈殿ができるはずだ。

しかし事はそうは運ばない。

多分、中性付近ではMg3(PO4)2ではなく、たとえばMg(HPO4)やMg(H2PO4)2などが形成され、それらが一定の溶解度をもっているためと思われる。

同様に炭酸マグネシウム(MgCO3)も炭酸カルシウム(CaCO3)ほどではないが、小さい溶解度にかかわらず、炭酸水素ナトリウム(重曹)水溶液と塩化マグネシウム水溶液をあわせても容易には沈殿を生じない。

これもMgCO3ではなく、Mg(HCO3)2を形成しているためではないかと思われる。


そこで、上層の水溶液には塩化マグネシウム、下層のゲル層にはリン酸2ナトリウムとともに、炭酸アンモニウムを加えてみた。

そしたら見事に結晶が生成した。

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炭酸塩よりリン酸塩の溶解度が小さいので、表題には一応リン酸マグネシウムとしたが、炭酸マグネシウムとの混晶かもしれない。

当然、分析すれば分かることだが、当方、定量分析をする構えもしていないし、そこまでの意欲もない。

まっ、そのうち分かるだろう。

それにしてもこの結晶、斜めに交わる十字架やX字型。

たまたまその形になったものではなく、大きさは違えど相似形の結晶が沢山できている。

結構大きいものもある。

あらためて結晶の形態とはどのような要因によるものか考えさせられる。
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ゲル中 リン酸銅の結晶 リーゼガング環 [ゲル中結晶]

我がブログに載せている一連のゲル中結晶物質はすべて水難溶性のものである。

つまり、複数の水溶性物質が試験管中のゲル内で合体して難溶性物質ができ、それが結晶化したものだ。

ゲル内だから水の対流などの移動の影響を受けず、当該物質の拡散だけによって反応が進行するから、結晶生成が非常にゆっくりで整然としている。

だから、ただの水溶液中での反応だと急速に沈殿物が生成するものでも、このような条件だとはっきりした結晶型になる場合があるのである。

またできた結晶は水に溶けないから、水晶に近い感覚を味わえる。

といってもきれいな結晶が得られるものはそう多くない。

まあいろいろやってみるしかない。


リン酸銅

まずは上層の水溶液中にリン酸塩、下層のゲル中に硫酸銅を仕込んだもの。

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リーゼガング現象のように縞模様になるのが面白い。

上下の塩類濃度がほぼ同等でもこんなになるんだ。

不思議なのは上層ガラス壁にも青い縞模様ができたこと。

右側にそれを強調した画像をくっつけている。

これもリーゼガング環なんだろうか? だとしたらその生成メカニズムは?


縞を形成したものはいわゆる結晶状のものではなく、微結晶または不定形の微粒子が小さな球状になったものだった。

取りだしたものを写真に撮る。

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その小球も濃い青色と淡い水色のものがあり、淡いものの方が小粒になっていた。

おそらく、リン酸と銅の比率が違うものと思われる。


次には上層に硫酸銅溶液、下層のゲル層にリン酸2ナトリウム

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同じように縞模様を作るが、前者ほどはっきりしない。

ただ、生成した小球の色合いなどは前者とほぼ同じだったが、やや粒が小さめか。

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ゲル中 酒石酸カルシウムの結晶 [ゲル中結晶]

酒石酸カルシウムはゲル中で透明な美しい結晶を生成することが知られている。

当方では炭酸カルシウムの美しい結晶を得ることが最終目標だが、ナカナカその目標には届かないので、このような既知の目標に少し寄り道する。

酒石酸カルシウムの結晶は以前にも作成し、このブログにも載せているが、大きい結晶ではあったが透明度が若干・・・・。

そこで、ゲル中に仕込んでいた酒石酸をNa塩にして上層に置き換え、塩カルをゲル層に置いてみた。

さらに少し濃度を変えたりして再度試みたのだ。


まず、比較的うまくいったものから

試験管で結晶が生成した様子。

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よく分かるようにレーザーポインターを当ててみた。

次にその結晶を取り出して撮したもの。

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大きさは最大で5㎜程度だが、形状は美しく、透明性もよい。

クリスタル感を出すために文字の上に置いたもの

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次に順番から言うと逆だが、その前に試みていたもの

濃度は低めだ。

濃度は低い方が美しい結晶ができると思ってのことだったが

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濃度が低いためか結晶がナカナカできないと思っていたら、数が少ない分でかいのができた。

大きいものは1㎝ぐらいある。

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でかいものは表面が荒れていて、あまり美しくない。


結晶型というものは同じ物質でも条件によっていろいろ変わる。

ゼラチンゲルで作ったときは魚のようなへんてこりんのものができたし・・・。

参考にした文献によれば、酒石酸カルシウムの結晶は酒石酸を珪酸ゲル中に置いて作っている。

よって、今度の整った形のものは、ゲル中に塩カルを置いたためというより上下層の物質濃度が適当だったための公算が大と思うが・・・。
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寒天ゲル中の炭酸カルシウムの結晶生成 その3 [ゲル中結晶]

今日は朝から時々陽が差す、まあまあいい天気。

だが寒いのは寒い。

午前中墓参り。

それから、梅の木峠に梅の花見に行った。

近所の紅梅はもう咲いているので、少し高いところだが、咲いているだろうと思ったが、ちょっと早かった感じ。

それでも咲いている木はあった。

梅林の斜面を歩いていると、白いものがちらちら。

これは奥の方はかなり降っているかも。

ニュースでは北朝鮮のロケットと台湾地震でのビル倒壊。

ロケットは後できちんとまとめてニュースにしてくれればいい。逐一報告はいらない。

ビル倒壊は他人事ではない。日本でも基礎の杭の偽装が発覚したばかり。


さて、表題の炭カルの結晶。

前2回の続きだが、今度は塩化アンモニウムおよび塩化マグネシウムの増量効果を見る実験。

・・・・・なわけだが、それぞれ前回までで、結晶の大きさにプラス効果があまりなかったことを確認しているので、この項はいわば無意味になっている。

しかし、やったものはしようがない。

まとめるものは粛々とまとめる。


実験 9 寒天 0.3% ゲル、塩化アンモニウム 0.32M

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実験 10 寒天 0.1%+ゼラチン2% ゲル、塩化アンモニウム 0.32M

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実験 11 寒天 0.3% ゲル、塩化マグネシウム 0.32M

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実験 12 寒天 0.1%+ゼラチン2% ゲル、塩化マグネシウム 0.32M

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塩化アンモニウム、塩化マグネシウムの増量効果はなかった。むしろマイナス効果かもしれん。

その他は基本的に同じ結果

寒天濃度は低い方が小さい結晶。

塩化マグネシウムが共存すると、小さい球晶が主となる。

しかし、球晶は不思議だなあ。

塩化マグネシウムを入れないときも一部球晶は出来ていたけれど、いったいどういう原因なんだろう。

炭酸カルシウムの結晶には、方解石、霰(あられ)石、バテライトがあるが、球晶はバテライトだとしている本がある。

確かめるにはX線解析で原子間距離などを測定する必要があるが、当然当方にそんなことが出来るわけもなく、えらい学者がアドバイスしてくれるわけでもなく、まっ、なりゆきだな。
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寒天ゲル中の炭酸カルシウムの結晶生成 その2 [ゲル中結晶]

前回に引き続きであるが、今度は塩化アンモニウムの代わりに塩化マグネシウムを共存させる作戦だ。

塩化アンモニウムを共存させる所以は、この物質が炭酸カルシウム(もしくは炭酸水素カルシウム)の水への溶解を助けるゆえ、炭酸カルシウムの結晶生成速度を抑えることが出来るという期待からである。

これに対して、何故、塩化マグネシウムを代替することを思いついたかというと、まず予想に反してこの系で炭酸マグネシウムの沈殿が出来ないことだ。

この辺はよくわからないが、中性付近では炭酸水素マグネシウムができ、これが水に溶けやすいからだと思う。

そしてもう一点は、塩化アンモニウムと同様、炭酸カルシウムの沈殿が生じているところに塩化マグネシウムを加えると沈殿が溶解することを確かめたからである。

その他は前回の条件と同様にして、次のような実験だ。


実験 5 寒天 0.5% ゲル

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実験 6 寒天 0.3% ゲル

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実験 7 寒天0.1%+ゼラチン2% ゲル

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実験 8 イナアガーA 2% ゲル

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写真を見ればもう説明はいらない。

まず、結晶は球晶が主だということ。

小さいこと。

ゲルとの関連からいえば、結晶は小さいものの、大きさの傾向は前回と同様だった。

結論から言えば、大きな結晶を作るためにやったことだが、より小さな結晶を作ってしまったということだ。

まあ、思いつきが見事に外れたの巻だ。

まあ自分の傾向として、思いつきの時は、いい着想だと自賛してわくわくし、その結果が楽しみで外れのことなんかあまり考えないのだが、外れがわかると何でこんなことしたんかとがっかりし、もう見るのもイヤになる。

しかし、外れでもまとめることはしないといかん。

誰が読んでくれてるかは知らんが、ブログはそのモチベーションにはなる。
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寒天ゲル中の炭酸カルシウムの結晶生成 [ゲル中結晶]

寒天ゲル中での炭酸カルシウムの結晶作製にまた挑んだ。

挑むのは何回挑んでもカラスの勝手だが、成功するためにはそれなりの適切な作戦が必要だが、我がポンコツ頭では見当違いの“ヒラメキ”ばかりが多くて・・・・。

最終目的は、相変わらずの5㎜角以上の大きさと透明度が高い結晶だ。

今度の作戦は

①塩化アンモニウムまたは塩化マグネシウムを共存させること

 理由はこれらが共存すると塩化カルシウムの沈殿が抑制されるからである。

 抑制されれば小さい結晶が出来にくく、大きい結晶になりやすいのではないかという思惑だ。

もう一つは

②ゲル物質濃度を下げてみることだ。

 一般的に言って、結晶を大きくするためにはゲル物質濃度は高い方がいい。
 ゲルが濃い方がゲル内物質の移動が抑えられ、結晶成長速度が抑えられるからだ。

 それは知っていたが、寒天ゲル中の結晶は不透明になるのでそれを改善したいと思ったのだ。

 今までの寒天ゲルは1%でやってきたが、触感的には充分に堅いのと透明度が悪い。

そこでゲルを寒天0.5%、寒天0.3%、寒天0.1%+ゼラチン2%、イナアガーA2%としてみた。

 寒天0.1%+ゼラチン2%、イナアガーA2%の二つはゲルの透明度を上げて、見た目を良くできないかと思ったからである。

 ちなみにイナアガーAとは成分中にこんにゃく粉を含んでいるという市販品である。


実験結果

去年の3月からはじめて、実は5月には見た目の結末は見えていたのだ。

結晶はある時点で成長が止まってしまう。

種切れというわけではない。

試験管はそのままほっておいたので、取り出してみたのは12月になってからだが。

何故止まるだろうか。

想像するに、反応につれて酸性が強くなり、pHが下がるからではないかと思う。

この前、テレビを見ていたところ、日本では旧石器時代の人骨がナカナカ見つからないという。

その理由は土壌が酸性だからだそうで、まれに見つかったところは沖縄の元珊瑚礁とか石灰岩地帯とかだけだという。

pHが下がらないようにするにはどうするか、それが問題だ。

肩の力が抜けてやる気が起きなくなったが、まとめだけはしようと少しずつ写真をまとめてみた。

実験 1 寒天 0.5% ゲル

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実験 2 寒天 0.3% ゲル

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実験 3 寒天0.1%+ゼラチン2% ゲル

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実験 4 イナアガーA 2% ゲル

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期待に反してというか予想通りというか、結晶はゲルが固い方が最も大きいことになった。

ゲルが柔らかくなるほど小粒になった。

結晶の透明性にあまり違いはない。

結晶の最大の大きさは差し渡し3㎜を超えるものもあり、米粒状のものでは、これまでで最も大きいと見られる。

ただ、稜線がはっきりしていないものばかりで、寒天ゲルではこのような形状が多い。

塩化アンモニウムの総括は次回にするが、大きな結晶を作るに当たって、結晶の成長が止まるのが一番の問題とわかったので、成長速度抑制剤としての役割は見当違いということになりそうだ。
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2015ゲル中の炭酸カルシウムの結晶 その2 [ゲル中結晶]

一昨日載せた『装置』と同様のもので、約1ヶ月後に開始した。

違うところは、開始当初の炭酸アンモニウム濃度を0.2Mから0.3Mに上げたこと、そして左右の液とも塩化アンモニウムを共存させたことである。

ちなみに濃度を上げたのは結晶の晶出が遅いのに業を煮やしたため、塩化アンモニウム添加はある意味、逆の作用だが、晶出速度を抑え、結晶を大きくせんともくろんだためだ。

まあ学問的な裏付けがあろうはずはなく、外れの多い山勘であるのは疑いないが。

左右の液交換は、前載と同様に行った。

結果は

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取り出した結晶は

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結果からいうと、結晶の大きさはやや小さめ、形状は角張ったものが多いが、平行六面体のような整った形のものはない。

前載のような、くっきりした木の葉状のものもなく、総じて小さな結晶が折り重なった感じ。

反省点をまとめれば

濃度を濃くしたのは間違いで、反対方向だった?

塩化アンモニウムは晶出を抑えるのに効果はあるが、晶出速度を抑えるなら濃度を低くした方がいい。

ゲルは均一にしなければいけない。今回は前載に比べムラがあり、一部は壊れていた。

ああ、つくづく自分の不器用さを嘆く。

この点は何にも増して父親の器用さがうらやましい。

子供時代、目の前で小さなモーターを自製して回して見せたのを思い出す。

あのDNAの少しだけでも自分に入っておれば・・・と思うのだが。

話は違うが、方解石と一緒に黄鉄鉱の結晶も購入したので載せる。

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黄鉄鉱は二硫化鉄だが、これは実験室でできそうにない。

でもいいね、大きな立方体に黄金色。

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2015ゲル中の炭酸カルシウムの結晶 その1 [ゲル中結晶]

一辺が5㎜程度の平行六面体である方解石の結晶を、水中(ゲル中)で得るのが目標でやってたんだが、一本の試験管中で物質を上下に拡散させるやり方ではなかなか大きな結晶にはならない。

そこで反応物質を含まないゲルを仕込み、両側から反応物質を拡散させる方法を試みた。

普通の化学実験であれば、ガラス製の反応容器でつなぎ目は摺り合わせという洗練させたものが理想だが、当然そんな費用もかけられないし、不器用なのでガラス細工に挑戦する気力もわいてこない。

そんなわけで、アクリルパイプで作ることにした。

これも不器用なのでできたものはかくのごとしだ。

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一旦拡散させて、結晶がわずかに生成するところまで行ったが、結晶の数も少ないし、できた位置も真ん中ではなく、炭酸塩寄りだったので、ゲルはそのままで液相を交換して実験を継続した。

写真で見るとおり、結晶の位置が総じて炭酸塩寄りであることは変わらず、時間をおいてもその傾向に変化がなさそうだったので、不首尾であることはわかっているが、終了することにした。

結晶の写真を撮ったので、載せる。

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大きさは今までで最大だが、形状は六面体にはほど遠く、総じて木の葉状で半透明なものが多い。

球状のものもあるが、これは不透明で、微細な結晶が集合したものと言えそうだ。

以前載せた試験管中で生成した球状結晶に似ている。

2014.10.15に載せたもの

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ネット中で販売されていた方解石の中に球状のものがあったが、球状でも方解石と分類されていたので、これも方解石(カルサイト)なんだろうなと思う。

ちなみに、この石、欲しくなって買ってしまった。

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年金暮らしなんにこんな石を買って・・・という批判の声が聞こえてきそう。

これを拡大すると

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ということになり、

以前載せた球状結晶が

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こうだから、なんだか似ている気がする。

それにしても、角張った結晶になったり、木の葉状になったり、はたまた球状になるのは何故だろう。



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ゲル中燐酸カルシウムの結晶 crystal of calcium phosphate in gel [ゲル中結晶]

ゲル中燐酸カルシウムの結晶 crystal of calcium phosphate in gel
 硅酸ゲルでの顛末


硫酸カルシウムと同時施行で燐酸カルシウムの結晶作りを試みたので載せる。

燐酸カルシウムは塩化カルシウムと燐酸ナトリウムによるリーゼガング現象として何回か載せた。

リーゼガング現象としては当方で最もうまくいった組み合わせだ。

その時出来たリン酸カルシウムの沈殿について、その結晶型が見えるものが欲しくなり試みたのだ。

試験管の最後の状況はこの通り。

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リーゼガング現象もはっきり起きており、結晶の粒がはっきり見え、面白い。

やはり、ゲル層にカルシウム、溶液層に燐酸イオンのほう(A)が、くっきりして美しい。

シチュエーションAでの結晶。

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結晶と言っていいのかどうか疑問だが、球状の粒、そしてそれに毛が生えたような形状が目立つ。

この写真では表面の構造がいまいち分からない。

電子顕微鏡で見たいところだ。

文献によると、燐酸カルシウムは繊維状となり、それが球状となったり、カビのように毛が出たりするらしい。

だが、それと同じなのかどうか確証がない。

シチュエーションBの場合。

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リーゼガング環の形状も曖昧だったが、結晶の形状もAと基本的に同じであるものの、不定形のものも多く、ちょっと雰囲気が違う。

いずれにしても電子顕微鏡やX線による構造解析をしないとこれ以上の解釈は出来ない。

それにしてもおもちゃのようなUSB顕微鏡ではあるが、老眼しか持ち合わせない当方の目には驚きの画像であった。

ゲル中硫酸カルシウムの結晶 crystal of calcium sulfate in gel no.3 [ゲル中結晶]

ゲル中硫酸カルシウムの結晶 crystal of calcium sulfate in gel no.3
 硅酸ゲルでの顛末


先に載せた構図とは逆に

ゲル層に硫酸ナトリウム、溶液層に塩化カルシウムを置いて拡散させてみた。

物質濃度は硫酸ナトリウム、塩化カルシウムそれぞれ

A 0.16M 、0.2M

B 0.32M 、0.4M

である。

結果、Aでは境界面に結晶が出来ただけで、結晶の数は少なく、小さかった。

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Bでは、結晶の数は多く、大きかった。

ただ、大きい反面、結晶型は小さな結晶がより多く密集して構成されたものが多く、シンプルな美しさという点ではあまりよくなかった。
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結果からいうと、この系ではやはり硫酸ナトリウムを溶液層に置き、ゲル層に塩化カルシウムを置く方が正解のようだ。

カルシウムイオンは硅酸ゲル内では動きにくいので、カルシウムイオンが溶液層(ゲル外)にある場合は濃度を高くする必要があるようだ。

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