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2014.07.07 より

寒天ゲル中の炭酸カルシウムの結晶生成 [ゲル中結晶]

寒天ゲル中での炭酸カルシウムの結晶作製にまた挑んだ。

挑むのは何回挑んでもカラスの勝手だが、成功するためにはそれなりの適切な作戦が必要だが、我がポンコツ頭では見当違いの“ヒラメキ”ばかりが多くて・・・・。

最終目的は、相変わらずの5㎜角以上の大きさと透明度が高い結晶だ。

今度の作戦は

①塩化アンモニウムまたは塩化マグネシウムを共存させること

 理由はこれらが共存すると塩化カルシウムの沈殿が抑制されるからである。

 抑制されれば小さい結晶が出来にくく、大きい結晶になりやすいのではないかという思惑だ。

もう一つは

②ゲル物質濃度を下げてみることだ。

 一般的に言って、結晶を大きくするためにはゲル物質濃度は高い方がいい。
 ゲルが濃い方がゲル内物質の移動が抑えられ、結晶成長速度が抑えられるからだ。

 それは知っていたが、寒天ゲル中の結晶は不透明になるのでそれを改善したいと思ったのだ。

 今までの寒天ゲルは1%でやってきたが、触感的には充分に堅いのと透明度が悪い。

そこでゲルを寒天0.5%、寒天0.3%、寒天0.1%+ゼラチン2%、イナアガーA2%としてみた。

 寒天0.1%+ゼラチン2%、イナアガーA2%の二つはゲルの透明度を上げて、見た目を良くできないかと思ったからである。

 ちなみにイナアガーAとは成分中にこんにゃく粉を含んでいるという市販品である。


実験結果

去年の3月からはじめて、実は5月には見た目の結末は見えていたのだ。

結晶はある時点で成長が止まってしまう。

種切れというわけではない。

試験管はそのままほっておいたので、取り出してみたのは12月になってからだが。

何故止まるだろうか。

想像するに、反応につれて酸性が強くなり、pHが下がるからではないかと思う。

この前、テレビを見ていたところ、日本では旧石器時代の人骨がナカナカ見つからないという。

その理由は土壌が酸性だからだそうで、まれに見つかったところは沖縄の元珊瑚礁とか石灰岩地帯とかだけだという。

pHが下がらないようにするにはどうするか、それが問題だ。

肩の力が抜けてやる気が起きなくなったが、まとめだけはしようと少しずつ写真をまとめてみた。

実験 1 寒天 0.5% ゲル

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実験 2 寒天 0.3% ゲル

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実験 3 寒天0.1%+ゼラチン2% ゲル

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実験 4 イナアガーA 2% ゲル

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期待に反してというか予想通りというか、結晶はゲルが固い方が最も大きいことになった。

ゲルが柔らかくなるほど小粒になった。

結晶の透明性にあまり違いはない。

結晶の最大の大きさは差し渡し3㎜を超えるものもあり、米粒状のものでは、これまでで最も大きいと見られる。

ただ、稜線がはっきりしていないものばかりで、寒天ゲルではこのような形状が多い。

塩化アンモニウムの総括は次回にするが、大きな結晶を作るに当たって、結晶の成長が止まるのが一番の問題とわかったので、成長速度抑制剤としての役割は見当違いということになりそうだ。
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