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2014.07.07 より
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食塩の結晶(失敗作) [液中結晶]

食塩の結晶


食塩は最も身近な無機塩類と言っていいだろう。

だからだろうか、子供向けの結晶作りというと、ミョウバンに次いでテーマに上げられる。

よく知られているように、ミョウバンは上手に作ればダイヤモンドのような正八面体の結晶で大きなものが出来る。

ミョウバンの飽和溶液中に種結晶を糸で縛って吊し、蓋を載せる程度にして少しずつ水を蒸発させれば、不要な結晶は生成せず種結晶が徐々に大きくなる。

勿論水温の上下や結晶核となる物質の混入に対する対策など一定の配慮は要るものの、美しく大きな結晶を得やすい。

しかし、食塩の結晶となるとこれが簡単なようでなかなか難しい。

容器の底で結晶を成長させると、何故か7~8㎜角程度の正方形の底面を持つ、立方体と言うにはやや高さが足りないキャラメルのような格好の直方体までは比較的簡単にできる。(以前に載せた)

それから先。

重力方向に扁平なので、転がして位置を変えてみたり、ミョウバンのように糸で縛って吊り下げてみたりした。

いずれも、手を加えた後は形が崩れ、更に他の結晶が発生して本命が育たなくなったりした。

以下の写真はそのうち糸で縛って吊り下げていたもの。

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途中で成功の見通しが無くなってからもそのままにしていたので、図体だけは大きくなった。

辺の長さが2センチ弱ぐらいか。

辺の角度はほぼ90°だから、立方体のひとかけらと言ったところか。

食塩の結晶作りはこのところ放棄していたが、また再開しようと思う。

それに先だってはアイデアが必要だ。

ミョウバン結晶のように溶液表面から水を蒸発させる方法では、水面で微結晶が発生し、それが表面張力で浮いたまま成長し、ある程度の大きさになったところで底に沈む。

それが新たな種結晶となって、本命の結晶の成長を阻害したり、或いは本命結晶に付着してその形をいびつにしてしまう。 ・・・・その対策。

底で成長させると重力方向に扁平になるが、糸で縛って吊しても縛った糸で結晶型が崩れるようだ。

無重量ならいいんだろうがそうもいかないので・・・その対策。

そんなこんなの思いつきが出そろったら再開してみよう。
タグ:結晶 食塩

食塩の結晶 その3 [液中結晶]

育てている食塩の結晶を溶液から引き上げて、寸法を測定し、写真に撮った。

種結晶をナイロンテグスで縛って吊しておいたもの。

吊り下げ食塩2.jpg

吊り下げ食塩3.jpg


緑色のものは、レーザーポインターの光を結晶附近に当て結晶内部に入れたもの。

ミョウバンの結晶作りでは定番で行われる種結晶の吊しであるが、今のところ種結晶がある程度大きくなるとその上に小さな微結晶が出来たりして、それがそのまま大きくなり、写真のようにゴテゴテで美しい結晶には遠いものになる。

ミョウバン結晶でもフジツボのような微結晶付着は起きるが、頻度は少ない気がする。

吊さず、容器の底で育て、別の小さな結晶が発生した場合は適宜除去していったもの。

底置き食塩2.jpg

底置き食塩3.jpg

底置き食塩4.jpg

底置き食塩5.jpg


この結晶の大きさを測定すると

13.5 ×12.0 × 5.2 mm

底に置くと上方向の育ちが悪く、ほぼ正方形の平たい板状になってしまう。

それでも人為的ではないのに正確な直方体になるのは不思議だし、美しい。

これからは出来るだけ立方体に近く透明なものを目指そうと思う。

尚、結晶をいったん溶液から引き上げ測定やら撮影をして、溶液に戻すと、すぐに、周辺に微結晶が発生し、一部は本体の結晶に付着して成長し始めた。

何らかの原因で結晶核が出来るんだろうが、その辺を厳密にやることは当方のだらしなく不器用な性格でははじめから諦めざるを得ない。

吊しの成功も含めて、戦略は「下手なテッポも数打ちゃ当たる」大作戦だ。

情けな!

 
タグ:結晶 食塩

ミョウバンの結晶その後 [液中結晶]

今日は祝日で休日だったんだな。

毎日が日曜日だと、曜日は頭に入っているけれど(ゴミ出しや食材宅配があるから)、祝日にはあまり関心がなくなる。

まあ、以前なら「いいご身分で・・・」とか言っていただろうけど、いい身分には違いないが、どこか寂しい気分もある。

現役の人から見れば贅沢な話だ。

現役を続けるには体力低下に加え、あまりに頭がぼけてきたから仕方がない。

言い訳?[猫]


以前載せたミョウバンの結晶その後について。

ミョウバンの結晶を作るのには大まかに二通りの方法がある。

一つは、水溶液の温度を高くしてミョウバンを高濃度に溶かし、冷ますとミョウバン溶解度が低下するので結晶化することを利用する方法。

冷ましていく途中で微結晶が晶出する頃、糸で縛った種結晶を液中に吊すとそれが大きくなる。

もう一つはミョウバン液の温度をなるべく一定にして静置し、水分を徐々に蒸発させ、ミョウバンを析出させる方法である。

この時も微結晶が晶出するタイミングで糸で縛った種結晶を液中に吊す。

両者とも種結晶を吊すタイミングは重要である。

ミョウバンが飽和していない段階で吊すと、種結晶が溶けて、落下してしまう。

微結晶が生成してからでは種結晶への晶出が妨害され、成長が阻害される。

微結晶がわずかに析出した段階で、上澄み液を分離し、それに種結晶を吊してはどうかと思う。

二つの方法を比べると、はじめの方法では結晶成長が早く、手軽に作れる。

反面、正確な結晶形状が得られにくいと思われる。

後者は結晶成長に時間がかかるが、正確な結晶形状を得られる可能性がある。

ところで、以前、夏に載せた結晶は両者が入り交じった方法だが、どちらかというと前者主体であった。

PC155183ミョウバン1縮.jpg

PC155190ミョウバン2縮.jpg



下の写真の左側だ。

そこで、後者のように時間を掛けて正確な結晶形状(正八面体)を得ようとした。

上の写真、及び下の写真の右側だ。

3ヶ月掛けた結果だが、写真で見たら分かるように、またもや八面体の稜線の角が取れ、そこに面ができている。

何が原因か分からないが、種結晶時の不具合を継続している可能性がある。

種結晶を吊すタイミングにミスがあり、一時種が消失するほど小さくなったことがあった。

吊すタイミングは気長に慎重に見る必要があるが、そういう口の下から今回またもや失敗してしまった。
ミョウバン液の不純物を除去した後、今回の結晶を種にして再開したら一晩で写真の結晶が溶けてしまったのだ。

またもや未飽和の状態で吊してしまったらしい。

全く情けない[もうやだ~(悲しい顔)]

「固体=結晶の世界」という本があり、ある奇特な方(女性)が7年間結晶作りに邁進、作成したミョウバンの結晶の写真を載せている。

それを見ると作成期間3ヶ月でも、上の写真の倍ぐらい、しかも正確な八面体。

5年ものに至っては1辺が10センチ以上、7年ものはもっと大きいがクロムミョウバンとの混晶。

すごい!

失敗続きの自分が思うに、単なる物好きだけではこんなことはできない。

繊細さ、集中力、継続は力なり?
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食塩の結晶その後 [液中結晶]

悠々自適という言葉がある。

辞書では「のんびりと心静かに、思うまま過ごすこと」とある。

自分でも理想の姿と思う。

が、なかなかそのようなスタイルにはならない。

おまえが何をしようが、他人にとってはどうでもいいこと。

と自分に言い聞かせるのだが、社会通念とか常識とかが気になり、自適の心境に至らない。

まあ、「自適」の中身があまりにも薄っぺらなせいだろうが。

自虐[がく~(落胆した顔)]


ビギナーズラックという言葉がある。

初心者が意外と成功を収めることがあるいう意味合いと思う。

この夏に作った食塩の結晶はそういうのに該当するんだろうか。

試薬でもない、スーパーで買った食塩を純水に溶かして、開放容器に入れ、窓際に置いておいただけ。

全てきれいな結晶だったのではないが、長辺が6㎜程度のキャラメル状の結晶が数個得られた。

これならもう少し厳密にやれば1㎝画の立方体の結晶も得られるのではないかと思い、あのあと、その時出来たきれいな結晶を種に実験を継続した。

ただし、種結晶を糸で縛って吊り下げる方法は挫折した。

何しろ手先が超不器用な上に、目が悪いので縛るだけでも大苦労。

さらに液に浸した段階でも、その液が飽和しているか否かを見極めることが出来ず、縛った結晶がわずかに溶け、落下してしまうようなことが連続したからだ。

底に置いた種結晶は上に伸びずに横に拡がる傾向があるので、長辺を縦にして置いたりした。

だが、何個か用意した容器で、一番ましなのがこの写真のものだ。

PC155179縮.jpg


きれいでかわいいキャラメル状の結晶のなれの果てが一番でかい結晶の固まりだ。

確かに平べったい直方体が折り重なっている。

あとのものは種結晶そっちのけで、微結晶がたくさん発生して何が何だか分からない状態になった。

で、冒頭のビギナーズラックの思いに至ったわけだ。

ネットで検索してみると、食塩の例もあるが、容器を念入りに洗浄したりして手を掛けた末に得たようなくだりとは裏腹に大きさは7㎜程度と五十歩百歩のようだ。

6,7㎜までは比較的簡単にできるということだろう。

そのあとは、別の結晶がフジツボのようにくっついて、写真のような形状になってしまう。

大きな結晶を得るのはそれらを参考に、基本的にはトライアンドエラーでいくしかない気がする。

基本的には偶然の幸運に当たるのを願うってこと。

厳密な洗浄や温度管理、蒸発速度の管理などは必要だとしても不可能なので。

砂糖の結晶 [液中結晶]

今朝は晴れているが、これが続くのか?

昼に一時雨となり、夜には晴れる予想が出ているが。


砂糖がエチルアルコールに溶けないことを利用して、砂糖の結晶を作ったらどうなるだろうと思い立った。

試験管の下の層にエチルアルコール:水:砂糖=1:2:4に混合した液(透明溶解)を入れる。

この混合比は特に意味がない。水・砂糖だけではエラク粘度が高いための思いつきだ。

上の層にはエチルアルコールをのせる。

そしてその結果(約40日後)

PB144882砂糖の結晶1縮.jpg

36.1_131114_5砂糖の結晶2.jpg

PB144884砂糖の結晶3縮.jpg


参考にコーヒーに入れるグラニュー糖の写真も撮ったので載せる。

グラニュー糖.jpg


結果的にはたいしたことは起こらず、がっかり。

まっ、氷砂糖じゃね。

ブログに載せるつもりはなかったが、ネタもないし、記録だから。

食塩の結晶 その2 [液中結晶]

普通、食塩の結晶といえばサイコロのような立方体を思い浮かべるのが一般的と思う。

色々な物質の結晶を思い浮かべてみても、このような立方体はあまりない。
自分も理想的な立方体を作ることを目標にしているのだが。

ところが、製塩業なので食塩水を急速に煮詰めていく行程では、立方体よりむしろ針状・柱状結晶が主流だという。

濃食塩水を試験管に入れ、その液の上に、極力、液が混合されないようそっと無水エタノールを注ぐ。

すると、エタノールは食塩水の水分と徐々に混合していき、それにつれ、難溶性となった食塩が結晶化していく。

エタノールを注ぐ場合はスポイドなどを使い、超優しく注ぐところだが、どうも不器用なためか、集中力がないためか、自分の場合はこのとき両液の界面でかなり波立ち混合されてしまった。
ために、注ぐ操作中に既にかなりの微結晶ができてしまっていた。

その結果がこうだ。

食塩の柱状結晶1.jpg

食塩の柱状結晶2.jpg


微結晶の中にはサイコロ状のものもあるが、主流は柱状結晶だ。

上で述べたことと少し矛盾するが、エタノールを手荒く注いだ結果、急速にできた微結晶はサイコロ状。
その後、比較的ゆっくり形成されたのが柱状結晶ということになる。

この場合、ゆっくり形成といっても、食塩水の水分を自然蒸発によって減少させることによる方法と比べれば、かなり急速ということなのだろう。

化学実験事始め -食塩の結晶(Crystal of the salt) その1- [液中結晶]

結晶作りと言えばミョウバンだが、結晶と言えば食塩じゃないか。

違う。結晶と言えば水の結晶=雪だ。

という御仁もいると思うが、それは冬になるまで待つとして。

食塩はスーパーで売られている、普通の食塩(名産品でも焼き塩でもないヤツ)。

濃食塩水を作り、開放して放置し、濃縮する。

こうすると食塩は溶液表面で結晶が生成し、表面張力で浮かびながら成長するので、正方形の板のようになる。

一定程度大きくなると、何らかの振動で底に沈み、今度はそこで成長する。

しかし、表面での成長の時の癖が付いているのか、おおむね底に平行な辺が長い直方体になる。

転がしても見たが、今のところなかなか立方体に近づけない。

そこで、まだまだであるが、写真をアップする、(事始めだから)

P8183552食塩1.jpg


ちなみに、ミョウバンのように糸で縛り、吊り下げる方法は成功していない。
途中で落下したりして・・・。

また、濃食塩水の上に無水エタノールを浮かべるやり方は、少し試している。
それはまたの機会に。

化学実験事始め -ミョウバンの結晶 その1- [液中結晶]

化学実験をするとかこのブログの趣旨に宣言しておいて、実は数回の石けん作り以外は行わず、だらだらとした日々を過ごしてきた。

65歳を目前にし、ようやくタイムリミットの壁がおぼろに見えてきたので、怠惰な根性に鞭をいれねばと思い出した。

題は事始め、まず始めて勢いを付けよう。

てなもんで、手を付けたのがミョウバンの結晶作り。

小学生の夏休みの課題にもならない?

言いたい人には言われてかまわない。

現状がこのレベルだから。

以下がミョウバンダイヤモンド(正八面体結晶)作製までのサクセスストーリー
あくまでストーリー、現実ではない。

ミョウバンは以前から持っていたヤツで、食品添加物用。
正直、化学式が表示してないから。溶解度などもよく分からない。

だもんで適当に暖めながら水に溶かして、冷やしたところで、上澄み液を取り、一応飽和溶液と見なす。

種結晶は、その際できた結晶のうち手頃なものを、適当なもので縛り、上の「飽和溶液内」に吊す。

「飽和溶液」の表面から自然に水が蒸発することにより、過飽和になったミョウバンが種結晶表面に晶析し、結晶が大きくなる。

こうして書くとエラク簡単なようだが、そううまくは運ばない。

とりあえず今日は、この間にできた結晶2点をアップ。

P7253313ミョウバン1縮.jpg

P7263321ミョウバン3縮.jpg


P8183555ミョウバン2縮.jpg


上の写真2枚はどっかのサイトで、細い銅線を焼いて種結晶に突き刺せば簡単とあったので、試みたのだが、焼くと銅線が細いので溶けてしまう。
そこで、仕方なくその銅線で縛って吊り下げたもの。

最下段の写真は縛る紐を色々試した結果、釣り用のナイロン製テグスで縛って吊り下げたもの。

以上、2点は失敗作その1,2だ。

八面体の角も面となり、何面体か分からなくなっている。

容器を置いている部屋の気温が上下するため、液温が上昇すると結晶が溶け、下がるとまた成長することを繰り返したり、最初の「飽和溶液」が実際はまだ過飽和だったことが原因して結晶成長が急すぎたためではないかと思う。
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