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2014.07.07 より

リーゼガング現象(Liesegang phenomenon) 反応の追跡 [リーゼガング現象]

アンモニア水5倍液及びモノエタノールアミン3Mによる、寒天ゲル中の水酸化マグネシウム(MgOH2)生成のリーゼガング現象。

以前、11月7日のブログにその最終結果の写真と、生成リングの計測結果を載せた。

実は開始当初からその変化を写真に撮っていたので、それを経時的に比較した合成写真を載せる。

実験条件は11月7日のブログにある。

まずはアンモニア水5倍液によるもの。

合成アン水トリ・カンバスTEX.jpg



リング自身は開始直近から形成されているのが分かるが、わかりやすさからリングA,B,Cに着目する。

Aが形成されたと分かるのは開始から2日目(⑦)だが、その位置にアンモニア水が到達したのは開始後8時間足らず(③)である。

同様にBが形成されたと分かるのは開始から6日目(⑩)だが、その位置にアンモニア水が到達したのは開始後約22時間(⑤)である

更にCが形成されたと分かるのは開始から15日目(⑫)だが、その位置にアンモニア水が到達したのは開始後3日(⑧)である。

最下段の写真(⑮)にあるDリングにいたっては、その上の36時間の写真(⑭)には影も形も見えない。

※なお、反応容器であるパイプの底の方からも淡くピンク色が拡がってきているが、これは底に使っているゴム栓に、前の実験で使っていたアンモニアが染み込んでいたためと思われる。 厳密にいえば正確な実験とは言えないが、色が淡いのでpHは10未満と推定され、水酸化マグネシウムを生成させるほどのものではないと判断した。 まっ、どちらにしても参考記録だ。

次はモノエタノールアミン3Mによるもの。

モノエタ3M合成トリ・カンバス.jpg



アンモニア水と同様にリングA,B,C,Dに着目する。

Aが形成されたと分かるのは開始から2日目(⑦)だが、その位置にモノエタノールアミンが到達したのは開始後約12時間(④)である。

同様にBが形成されたと分かるのは開始から4日目(⑨)だが、その位置にモノエタノールアミンが到達したのは開始後約22時間(⑤)である

そしてCが形成されたと分かるのは開始から9日目(⑪)だが、その位置にモノエタノールアミンが到達したのは開始後2日(⑦)である。

更にDは22日後(⑬)に形成されているが、モノエタノールアミンは既に4日(⑨)には到達している。

最下段の写真(⑮)では新たにE,Fが形成されているが、その上の写真でモノエタノールアミンが到達していないFは当然としても、Eのリングは影も形も見えない。


以上のように.水酸化マグネシウムのリングの形成とアルカリ液の到達タイミングには大きな差がある。

リーゼガングの理論式にはリングの位置のみではなく形成時間も含まれるが、理論の検証のためにリングの形成時刻を決定するには難しい面がある。

アルカリ液の到達とリング形成のタイミングがずれるのは何故か?

①フェノールフタレインはわずかなアルカリ性でも発色するが、水酸化マグネシウム生成にはある程度以上の強いアルカリが必要である。

②アルカリ液到達時点で、既に水酸化マグネシウムは生成しているが、微細粒子(コロイド)状態で分散しているか、過飽和状態で溶解している。 そして、その周辺で一番濃度が高い部分に核が出来てそこに時間を掛けて集積する。

などが考えられるがよく分からない。

この先は理論とその裏付けが必要で、それにはゲル内部の分析も必要だろう。

当然にも自分には出来ない。[もうやだ~(悲しい顔)]

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