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2014.07.07 より

油彩教室(2) [絵]

当たり前の話だが、絵を描くとは3次元の対象物を2次元に表す行為である。
この点では、写真も同様である。

対象物をみて、あるがままに描くことが絵の基本だろう。

しかし、我々がみている3次元とは、網膜に映った画像が元であるが、その画像もまた2次元である。
我々は3次元のモノを2次元に描くことの難しさに四苦八苦しているわけだが、我々のセンサーも2次元で外界の情報を収集しているのである。

では、なぜ絵を上手に描くことが難しいのだろうか。

それは、網膜からの画像信号に、脳が経験とか、遺伝的能力を使って、画像処理する(解釈を加える)からである。
我々が知覚するのは、網膜に映る2次元画像ではなく、脳が作った「3次元空間」なのである。
そして、その「3次元対象物」を元に、それを2次元に表す作業を行っているのが絵というわけだ。

だから、写真に写る画像と、自分の目で見た印象が相当違うことはしばしばある。

目の錯覚(実は脳が加えた画像解釈の誤り)を利用した、だまし絵などはわかりやすい例だが、絵の練習では、しばしば自分の間違った固定観念に苦労する。

人の顔を描くとき、目を上の方に描いてしまう。(目はほぼ中央)
手(手のひら)や耳を小さくかいてしまう。(意外と大きい)
首を細く描いてしまう(首は意外と太い)

そのほか、人体の各部品の、色や大きさ、位置が先入観と違うことは多々ある。

画家とか、先天的に絵のうまい人は、その違いがあまりないか、違いを客観化できているので、絵を描くときに障害とならないのだろう。

しかも、おもしろいことに、先入観に影響されて間違った絵を描くと、自分自身にもそのおかしさが、何となく、わかるのである。要するに、脳の中には「3次元化」された情報とは別に、その元の2次元画像も保存されているのである。

さて、昨日に引き続いて、昨年度の油彩教室の課題を載せよう。

この絵は先生が連れてきた高校生ぐらいの女性がモデル

P2080148縮.jpg


はじめはそんなつもりはなかったのに、描いていくとどんどん(絵中のモデルの)姿勢が悪くなり、顔色も悪くなった。
そこで、もう一度、別に同じ絵を描いてみたが、先生のいない状態で描いたので、この絵よりうまくは描けなかった。


この絵は、ペインティングナイフを使って描く課題

P2080151縮縮.jpg


ペインティングナイフは難しい。これは先入観とか絵心とかは関係なく、手先の問題である。
パイナップル部分は先生の作品。
途中で投げ出した。
ナイフの絵も描きたいので、相当練習が必要だ。




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