SSブログ
2014.07.07 より

桐の花 [休山]

休山の稜線沿いにある林道を歩いていると、この花があった。

えらく密集して華々しく咲いているし、藤色だし、しかし藤の花ではない。

しかし、これだけ密集して、しかも見栄えのする花なんだから、ごく常識的な花で調べれば直ぐ分かると思っていた。

“常識的”であることには違いなかろうが、山野草ではないので「本」ももっていないし、ネットで調べるにも名前の手がかりが無くてはなかなか難しい。

でも手当たり次第に写真を見たら、やっと行き当たった。

美しい花だが木の高いところに咲くので、あまり身近ではないようなことが書いてあった。

確かに高い木のてっぺんのものもあったが、山の稜線にいるせいか、わりと間近に見ることが出来るものもあった。

P5026610桐1縮.jpg

P5026601桐2縮.jpg

P5026607桐3縮.jpg


香りもいいとあったが、残念ながら嗅いでみなかった。

なんと無粋なことだ。

この花については、枕草子の

[34]木の花は、濃きも薄きも紅梅。桜は、花びら大きに、葉の色濃きが、枝細くて咲きたる。藤の花は、しなひ長く、色濃く咲きたる、いとめでたし。・・・・と続く段の最後の方に

桐の木の花、紫に咲きたるはなほをかしきに、葉の広ごりざまぞ、うたてこちたけれど、異木どもとひとしう言ふべきにもあらず。唐土にことごとしき名つきたる鳥の、えりてこれにのみゐるらむ、いみじう心ことなり。まいて琴に作りて、さまざまなる音のいでくるなどは、をかしなど世の常に言ふべくやはある。いみじうこそめでたけれ。

の記述がある。

いくら高いところに咲く花でも、かなり注目されていた花だったんだ。

ちなみに、“唐土にことごとしき名つきたる鳥”とは鳳凰のことだということで、この木にしか止まらないらしい。

葉が少々広がって無様だなど文句を言うべきではない。鳳凰が止まる格別な木で、琴の材料になっていい音色を出すんだから。

切れ者の女性にしてはわりと普通のことを言っている感じ。

nice!(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。