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2014.07.07 より

望遠鏡覚え書き その3 memorandums about the telescope no.3 [天体]

昨日も暑かった。

そのせいか宅配便の兄ちゃんが、バッテリーが上がったといって、助けを求めてきた。

あいにくケーブルが見あたらず余所を当たってもらったが、今朝、息子の車も動かなかったようだ。

それにもかかわらず、暗くなるとまたまた四方の山際に雲が出て、青雲の撮影はだめになった。

真上の空はあいているようだが、干潟星雲や参列星雲を狙っているので。

これらももうそろそろ時間切れで撮せなくなる。

野呂山にでも行こうかな。


望遠鏡覚え書き その3


望遠鏡での写真撮影の原理を考える場合、一番シンプルなのが直焦点法である。

これは望遠鏡の対物レンズによる像(実像)を直接、カメラのフィルム面や撮像素子に結ばせるやり方で、要するに普通のカメラのレンズの代わりに望遠鏡の対物レンズを使うようなものである。

屈折望遠鏡直焦図.jpg


通常のカメラでも撮像面に結んだ像は逆さであるが。カメラのモニターではそれを逆転させて正立の像を映している。

本当は我々の網膜だって、映っている像は逆立ちしているのだが、脳のコンピューターで正立像として認識させられているのだ。

さて,図の形はピンホールカメラのそれとよく似ている。

光の入り口がピンホールかレンズかの違いである。

光の入り口から撮像面の距離が同じなら、像の大きさはどちらも同じである。

レンズがある場合はこの距離は,レンズの焦点距離になる。

ピンホールカメラの場合は焦点というものはないから,どこでも像が投影される。

像の大きさは、その2で説明したように

像の大きさ=焦点距離(光の入り口から撮像面までの距離) × 視角である。

だから望遠鏡のレンズでいえば,焦点距離が長ければ長いほど大きな像が映ることになる。

だから望遠鏡でも望遠レンズでも,写真に写す場合の拡大の程度は,倍率ではなく、焦点距離で表すことになる。

眼視の場合は肉眼の時と望遠鏡の時との視角の倍率で言い表すことが出来るが、写真の場合は比べる条件がないのだ。

だが,焦点距離が分かれば,カメラの撮像面に映る像の大きさが分かるから、後は撮像素子やフィルムの大きさを考慮すればどのように映るかを予め予測できる。

さて大きいことはいいことだてんで、焦点距離が長ければ長いほど性能がいい望遠鏡かというと,当然だがそうではない。

筒の長いピンホールカメラを使えば,確かに大きな像が映るが、光の量は同じなのだから大きくなればなるほど暗くなり,淡くなってしまう。

レンズはピンホールとは格段に光量が多いが、焦点距離が長ければ長いほど像が拡大されて淡くなることはピンホールカメラと同じである。

望遠鏡は口径が大きければ大きいほど捕らえる光量が多くなり明るくなる。

眼視にしても写真にしても,ある程度以上の光量が必要であるから,焦点距離が長い場合はそれなりにレンズの口径の大きさが求められる。

望遠鏡を選ぶ場合、よく、初心者向けの解説には倍率にとらわれず,口径を重視するように書いてある。

それは,初心者向けの望遠鏡の広告には倍率が強調してあるものが多いからだ。

本編のその1やその2で書いたように,倍率は対物レンズの焦点距離を接眼レンズの焦点距離で割ったものだから、対物レンズの焦点距離が長ければ倍率は高く,更に接眼レンズの焦点距離が短ければ倍率が高くなる。

しかし、口径が小さいレンズでは像を拡大すればするほど暗くなり、判別が困難になってしまう。

分かりやすくいえば,レンズを使わないピンホールカメラでも,ピンホールと撮像面の距離を長くすれば大きな像を投影することが出来るが,それは眼にみえるかどうかは別にしての話なのである。

さて、蛇足だが、以上の説明の図は屈折望遠鏡で描いてある。

望遠鏡には対物側にレンズを使う屈折望遠鏡と主鏡に凹面鏡を使う反射望遠鏡がある。

小生が今、主に使っているのはR200SSというニュートン式反射望遠鏡である。

だから,それを使った直焦撮影のモデル図は以下のようになる。

反射望遠鏡直焦.jpg


原理的には同じなので特に説明は省く。

観察や撮影の時に考えるのは,対象物(星)の方向。

屈折望遠鏡の時には逆さになっているわけだが(カメラの場合はそれを正立に直している)、反射望遠鏡の場合は副鏡があるので混乱する。

観察画像は図のようになる。(カメラではその逆)

よく頭に入れとかないと,惑星の模様の位置などが逆さになったりする。

また,市販の望遠鏡にはこれらの方式を融合した色々の型がある。

特徴としては,焦点距離は長くても鏡筒は短いものとか、移動に便利なものがあるようだ。

この呉の街は霧が発生しやすく,透明度が悪いし、街の灯や工場の明かりなどで光害もかなりあるので,野呂山あたりで撮影してみたいが、そういうときには便利だろうな。


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